国交省、自治体向け災害時物流ハンドブック作成

ロジスティクス国土交通省は29日、災害時に避難所へ円滑に支援物資を届ける「ラストワンマイル輸送」に焦点を絞った”備え”や初動、発生後の運営などを記載した自治体向けハンドブックを作成した、と発表した。

過去の大規模災害でラストマイル輸送が混乱し、支援物資が届かないなどの課題が発生したことを踏まえ、有識者や物流関係団体、物流事業者が参加する検討会で議論を重ね、「ラストマイルにおける支援物資輸送・拠点開設・運営ハンドブック」としてまとめた。

ハンドブックは基本編、都道府県編、地区町村編に分かれ、基本編ではほかの2編に共通する車両確保や物資拠点の運営などのために「平時に行うことが望ましい基本的な取り組み」を例示。都道府県編、市区町村編では、それぞれの立場で発災時の組織体制、輸送の手配、物資拠点の開設・運営などのオペレーション例を示した。

また、ハンドブックの中から「災害時の地方公共団体職員の対応のエッセンス」を分かりやすくまとめたクイックスタート版も作成。今後、ハンドブックを活用した自治体による実働訓練と連携していくほか、訓練の成果をほかの地域へ展開していくなど、円滑な支援物資輸送体制の確立に向けた取り組みを強化する。