荷主 リコーは16日、米中貿易摩擦のリスク回避策として、米国向け複合機の量産拠点を中国からタイに移管する、と発表した。これまでBCPの一環で中国、タイの両国拠点で部品共通化や最適なサプライチェーンの構築に取り組んできたことから、タイへの生産移管は「2か月で完了できる」という。
この決定は、米国が中国への制裁関税措置第4弾として、関税の引き上げ対象をほぼすべての中国輸入製品に広げると発表したことを受けたもので、製品仕向け地を見直すことで、関税引き上げの影響を最小限に抑える狙い。
これまで主要複合機の高モデルの生産は中国・広東省深セン市で、中・低モデルはタイのラヨーン県でそれぞれ行っていたが、この体制を見直し、主要複合機の米国向けはすべてタイで生産する。
今後は主要複合機以外の品目についても「タイから中国への移管」を含め、段階的に生産体制を見直してリスクへの対応と効率化の両立を目指す、としている。