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NEDO・INPEX・日立造船、CO2と水素からメタン合成を実用化

新潟に大型実用化目指す「メタネーション」設備完成

2019年10月17日 (木)

環境・CSR国立新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国際石油開発帝石(INPEX)、日立造船の3者は16日、INPEX長岡鉱場(新潟県長岡市)の越路原プラント敷地内に二酸化炭素(CO2)と水素からメタンを合成する試験設備が完成した、と発表した。

同設備は、越路原プラントで天然ガスを生産する際に排出されるCO2と、水の電気分解によって製造された水素を合成することでメタンを製造するもので、事業所内で分離・回収したCO2を用いた試験は世界初の試み。メタン合成能力の大型化に適した構造を採用しており、今後2019年度末までに各種試験と連続運転を通じて、メタン合成プロセスの最適化など技術課題の評価・検討を実施し、CO2を原料にメタンを生成する「メタネーション」技術の確立を目指す。

メタンは天然ガスの主成分で、エネルギーキャリアとして高いポテンシャルを持つほか、天然ガス(都市ガス)で使われている既存インフラを利用できるなど大きな利点があると期待されている。

「メタネーション」とは、火力発電所などから排出され、分離・回収したCO2と、水の電気分解などで生成される水素を、触媒を充填した反応容器内で反応させてメタンを合成する技術で、メタンを燃焼させる際に発生するCO2は分離・回収したCO2と相殺されると考えられるため、将来的に再生可能エネルギーによる電力で水から生成した水素を利用すれば、CO2の排出を大幅に削減することが可能とされている。

▲将来のCO2有効利用システムの全体フロー