ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

大和ハウスと阪大、バイオメタノール高変換率合成

2025年3月12日 (水)

環境・CSR大和ハウス工業と大阪大学の研究グループは11日、バイオガスに含まれるメタンガスからバイオメタノールを合成する新たな方法を開発したと発表した。今回の手法では、常温・常圧下での変換率が従来の6倍となる89%に達した。

研究を主導したのは、大阪大学先導的学際研究機構の大久保敬教授のグループ。同グループは2017年に、常温・常圧下で空気とメタンガスからメタノールを合成する技術を世界で初めて開発。しかし当時の変換率は14%にとどまっていた。2022年からは大和ハウス工業と共同で研究を進め、今回、反応溶媒としてパーフルオロアルケニルエーテルを使用することで、変換率を飛躍的に向上させることに成功した。

メタンガスは、地球温暖化係数が二酸化炭素の25倍とされる温室効果ガスの一つであり、その削減が国際的な課題となっている。これまでのメタン削減策は主に排出抑制が中心だったが、本研究ではメタンを有効活用し、バイオメタノールとして再利用する道を開いた。

バイオメタノールは、燃料や化学原料として広く利用されているメタノールの一種で、バイオガス由来のメタンから合成される。現在、日本ではメタノールのほぼ全量を輸入に頼っており、24年時点での世界市場規模は9900万トン、29年には1億2000万トンに達すると予測されている。従来の工業的なメタノール合成法は、天然ガスを原料とし、高温・高圧下で反応を進める必要があったが、本研究により省エネルギーでの合成が可能となった。

大和ハウス工業は、自社施設でのバイオメタノール活用を視野に入れ、さらなる研究を継続する方針。また、製造システムの開発や他のカーボンニュートラル技術への応用も検討しており、今後は他企業や研究機関との連携も視野に入れている。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com