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ワークマン、物流拠点の自社物件化に注力

2020年8月18日 (火)

アパレルワークマンは、物流拠点の自社倉庫への置き換えを加速させる。岡山地区で1.2万-1.5万坪程度の新たな「流通センター」を早ければ3年後に開設するほか、「お膝元」の自社物件である伊勢崎流通センターでも2021年中に6670坪増床し、1万坪のスペースを確保する。

▲伊勢崎物流センターの増築部分

同社は18年9月に新業態店「ワークマンプラス」1号店を「ららぽーと立川」に出店して以来、一般客の取り込みで高成長を続けているが、売上の増加ペースに対して自社流通センターの容量・処理能力が追い付かず、不足分は外部倉庫を借り増しして補ってきた。

同社は東日本で自社拠点2か所と外部倉庫12か所、西日本で自社拠点1か所と外部倉庫11か所の物流拠点を展開しており、特に保管用の拠点は外部倉庫が大半を占めている。これまで外部倉庫の利用で対処してきた理由について、同社は「流通センターの増強は5-10年先の入出荷と保管量の予測が前提になるため、ワークマンプラスのブームがどこまで続くかを見極める必要があった。中期的な予測が難しい中、外部倉庫は比較的自由に借り増しできるので便利だった」と説明。

一方で「自社倉庫に比べてコストは割高」になり、PB製品の拡大と人件費の高騰もあって「売上の伸び以上にロジスティクス費用が増え」る事態に発展。外部保管倉庫が20か所以上に拡大し、拠点ごとの管理リソースも必要になって「ロジスティクス全体のオペレーション効率も低下」したという。

こうしたなか、コロナウイルスが拡大した4-6月でも売上が前年比22.3%増と好調さをキープし、「ブームが一過性でなく悪い条件下でも需要が根強いことが分かった」として、自社センターの新設と増設を決めた。

同社のPB製品比率は18年3月期の32.2%から20年3月期の51.4%と、2年間で19.2ポイント伸長した。製造小売業(SPA)を目指す上で今後もPB比率の拡大が見込まれるが、海外で大量生産するPB品の保管日数は国内メーカーからの仕入れ品の3倍以上と長いことから、流通センターの能力を拡張する方針を固めた。

岡山県に新設する流通センターは「これから立地を探す」が、適地が見つからない場合は「次善策として兵庫県の播磨地区や広島県の備後地区にする可能性」も選択肢として用意。将来の増築を見込み、広めの土地を確保する。伊勢崎流通センターの増築については、すでに基本設計が始まっているという。

■東日本
拠点坪数備考
1.自社・伊勢崎流通センター1万坪21年中に6670坪増築
2.自社・伊勢崎保管倉庫6480坪19年に電動移動棚化で通路を減らし保管能力強化
3.外部・保管倉庫1万1500坪10物件
4.外部・ネット通販倉庫1000坪-
5.外部・ショッピングモール専用倉庫900坪-
■西日本
拠点坪数備考
1.自社・竜王流通センター7400坪18年に電動移動棚化で通路を減らし保管能力強化
2.外部・神戸流通センター6220坪本年1月に保管機能が稼働
本年4月から流通センター機能が稼働
3.外部・保管倉庫8000坪10物件 全てが竜王センターの周辺
4.自社・新岡山流通センター1万2000坪~1万5000坪新設で3~4年後に稼働