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商船三井、世界に先駆けサステナビリティ体現へ

2021年1月5日 (火)

ロジスティクス商船三井が5日に発表した池田潤一郎社長による年頭挨拶の要約は次の通り。

(以下要約)

(出所:商船三井)

コロナ禍に見舞われた2020年だが、MOLグループが成長軌道への復帰の歩みを止めた訳ではない。2020年の主な成果を振り返れば、一点目は重点投資分野である高付加価値LNG輸送の分野で、ロシア・ヤマルLNGプロジェクト向け新造船計3隻の就航、ロシア・Arctic 2 LNGプロジェクトへの参画決定、そしてLNG燃料供給船の竣工と同船による大型コンテナ船へのLNG燃料供給開始があった。二点目も重点投資分野である再生エネルギー分野での取り組みだが、台湾洋上風力発電所向けSOV事業への参画決定、ウインドチャレンジャー搭載船による輸送契約締結、帆船による水素利用推進プロジェクトであるウインドハンタープロジェクトの始動があった。三点目は自律航行を技術で支える一連の「FOCUSプロジェクト」でのFleet Performance(フリートパフォーマンス)、Fleet Tour(フリートツアー)のリリースを挙げたい。

コロナ禍の影響は2021年に入っても当面続き、荷動きが減った時の備えは十分か、機敏に動ける体勢にあるのか、常にアンテナを張り注意深く動向を把握する必要がある。しかし、それ以上に私たちが注目すべきなのは、コロナ禍が引き金となって進んでいる世界の大きな変化が、急激なスピードで起きようとしていることだろう。グリーンリカバリーという言葉があるように、コロナ禍で停滞した世界経済の再起に向け、環境問題解決への投資をテコとする動きが急拡大している。こうした流れの中で、化石燃料によって立つ海運業にとって、脱炭素は避けられない課題となっている。低炭素の燃料としてLNGの使用が進むとみられる一方、脱炭素につながる代替燃料の開発・使用に取り組み、世界の潮流に先駆けてサステナビリティを体現していかなくてはならない。

毎年、年初に安全運航の誓いを立ててきたが、今年は特別な思いがある。コンプライアンスの順守と同様、安全運航は当たり前に存在するものではなく、文化も含め皆で作り上げていくものだ。安全運航はわが社にとって絶対の価値であり、わが社の事業基盤であることを胸に刻みながら、二度とWAKASHIOのような事故を起こさないことを、全社員の総意としてここに誓いたい。

昨年の12月11日に会長・社長人事について発表を行い、4月1日に私は橋本副社長にバトンを託すが、次期社長のリーダーシップの下で皆さんがその力を結集し、より一層の飛躍に向けて活躍することを大いに期待している。私自身も会長として引き続き、MOLグループの企業価値向上に貢献すべく全力を尽くす。