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IHI、感染症対策へ車両用の紫外線空気清浄機

2021年4月21日 (水)

▲車両搭載用の「オゾンUV-LEDエアクリア」(出所:IHI)

サービス・商品IHIとIHIアグリテック(北海道千歳市)は20日、車両内の感染症対策のための空気清浄機「オゾンUV-LEDエアクリア」の販売を開始した。搭載用・持込み用の2種類を提供する。

1997年からトヨタ製救急車の架装オプションとして採用されていた空気清浄機の、紫外線殺菌ランプを深紫外LEDユニットに変更したもので、医療用車両に加えて、食品運搬車やリネン搬送車などへの導入にも期待する。2タイプで年間計1000台の販売を目指す。

同製品は車両内に人がいる際には、殺菌効果を持つ深紫外LEDユニットと機器内部に塗布した光触媒により、汚染した空気を除菌。車両の使用後は無人の車中にオゾンを放出して、車内の隅々までくん蒸し、付着菌やウイルスを99.99%以上除去する。

なお、深紫外LEDユニットについては、複数の大学機関が新型コロナウイルスの不活化効果を確認済み。合わせて、従来のランプに比べて寿命が長いメリットがある。

サイズは幅520センチメートル、奥行き8.5センチメートル、高さ22センチメートルで、重量は搭載用が4キログラム、持込み用が6キログラム。希望小売価格は車両搭載用が税込41万300円で、持込み用が43万7800円としている。

防ぐよりも「治す」が好ましい

防除ではなく殺菌と聞いて、より心強さを感じた。偏った見方かもしれないが、ウィルスから逃げたり遠ざかってばかりの、神経を使う消耗戦的な日々に終わりを告げさせてくれそう――そんな期待が高まるニュースと受け取った次第だ。

新型コロナウイルスワクチンの接種の進捗が今一つよろしくない、というニュースを聞くたびに、閉塞感とやるせなさでモヤモヤするのは私だけではないと思う。ワクチンの有効性は疑いようのないところだが、やはり「防ぐ」よりも「治す」方が好ましいことに間違いはないはずだ。

「コロナウイルスは常在しているが、罹患しても即座に処方可能な治療薬がある」という状況になれば、インフルエンザや流感と同じ扱いになるだろうし、社会不安や行動制限などの抑止措置も不要となる。新薬の開発には能力だけでなく時間も要することは承知しているが、一般市民の素直な要望として、ウイルスを過度に恐れることのない暮らしの実現を願ってやまない。(企画編集委員 永田利紀)