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プロロジス、地震後2時間以内に全施設の無事確認

2021年10月8日 (金)

話題プロロジス日本法人(東京都千代田区)は8日、7日22時41分の千葉県北西部を震源とする最大震度5強の地震の発生後、深夜にも関わらず2時間以内に国内の全施設で稼働できる状態にあることを確認したと明らかにした。同社が採用している大手警備会社の安否確認システムを活用して迅速に情報を収集し、8日0時30分までには情報を集約した。

同社によると、各施設に目立った損傷はなかった。一部施設で計6台のエレベーターが停止したものの、3台はすぐに復旧し、残りは8日13時時点でメンテナンスを実施中。また、1施設で泡消火設備から泡が漏れ出たものの、すでに収束しており、物流オペレーションに全く影響は出ていないという。

改善重ね進化、プロロジス流災害対策の舞台裏

災害対応能力の高さが「選ばれる」物流施設の基準に

関東地方を、10年ぶりとなる最大震度5強の地震が襲った。改めて、首都直下地震など来るべき巨大地震への対応が急務であることを認識した向きも、決して少なくないだろう。災害時の社会インフラ確保を使命とする物流事業者にとって頼もしい取り組みなのが、プロロジスの今回の地震対応だ。

夜遅い時間の地震発生からわずか2時間で、国内全施設の被災状況を調べ、稼働できる状態にあることを確認したという。今回の地震による被災はごく軽微だったとはいえ、物流事業者として起こすべき初期行動としては合格点だと思う。「最大で震度5強なら、大きな被害はないだろう」と決め込んで、翌朝まで対応を遅らせた企業がなかったことを信じたい。

プロロジスのこうした取り組みが注目に値するのは、荷主企業が物流施設を選択する基準を提示しているからだ。地震発生時の対応能力の高さは、大切な顧客の荷物を預ける荷主にとって、サプライチェーンの一翼を成す物流拠点の持続的な稼働に対する安心感の情勢につながるはずだ。物流事業者だからこそ、災害時の初期対応が重要な意味を持つ。この心構えの大切さを示した、プロロジスの対応だった。(編集部・清水直樹)