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商船三井、環境負荷低い2元燃料メタノール船完成

2021年11月8日 (月)

▲メタノール専用船「Capilano Sun」(出所:商船三井)

環境・CSR商船三井は5日、環境負荷の低いメタノールと重油の2元燃料に対応可能なメタノール専用船「Capilano Sun」(キャピラノ・サン)が完成したと発表した。韓国の現代尾浦造船が建造、久福汽船(広島県尾道市)から用船としてチャーターし、商船三井からカナダのWaterfront Shipping Company(ウォーターフロント・シッピング・カンパニー)向けに長期で貸し出す。

商船三井が運航する世界最大級のメタノール専用船隊は今回で18隻目。メタノールを燃料とする2元燃料船については2016年から保有し、船隊を拡大してきた。現在、世界で就航しているメタノール2元燃料タンカー13隻のうち本船を含めて4隻を商船三井が運航している。

メタノール2元燃料船は、従来の舶用燃料を燃焼した場合に比べ、メタノール燃焼時の硫黄酸化物排出量を最大99%、粒子状物質排出量を最大95%、窒素酸化物排出量を最大80%、二酸化炭素排出量を最大15%、それぞれ削減できる。Capilano Sunは、メタノール燃料に水を混ぜて燃焼温度を調整する新技術を採用した最新型の低エミッション船だ。

将来的には、商船三井が推進する二酸化炭素の回収・輸送事業を活用し、洋上風力発電や波力発電など再生可能資源由来の電力を利用した水素と合成することで、環境循環型のメタノールの生産が可能になる。さらに燃料として利用・供給することで、排出される正味の二酸化炭素の排出削減にもつなげられる。

商船三井は「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」に従って環境課題に向き合い、世界最大級のメタノール専用船保有船社として、これまでに培ってきた経験やノウハウを生かし幅広い顧客のニーズに応えることで、メタノール輸送サービスのさらなる拡充に取り組むとともに、引き続き環境負荷低減に資するあらゆる技術の導入に積極的に取り組む。