話題前回の記事「ROMS、物流から製造業まで支える「頭脳」のちから」では、ROMSの真価はハードウエアだけではなく、それを制御する「頭脳」(ソフトウエア)にあることを解説した。機器をどう動かすか、複数のシステムをどう連携させるか、現場の変化にどう適応させるか、単純な能力の比較だけでは見えにくい部分だがこの頭脳にこそ、ROMSが物流から製造業まで幅広い現場で支持される理由があった。
では、その高度な「頭脳」は、ROMSの自動倉庫を導入した現場でしか使えないのだろうか? 答えはNOだ。
今回は、その「頭脳」をアナログな「手作業の梱包現場」に応用したソリューションについて取り上げる。 現場における隠れた損失源である「属人化」。これを解消するために、ROMSの「頭脳」がどう作用するのか。自動化ソリューションを持たざる現場のための、DX(デジタルトランスフォーメーション)の現実解を提示する。
なぜ、梱包現場だけが「ベテラン頼み」なのか
最新の自動倉庫を導入している現場であっても、梱包エリアに目を向けると、そこには驚くほどアナログな光景が広がっている事が多い。
作業員が商品を手に取り、経験と勘を頼りに梱包箱を選び、パズルのように詰め込む。「この商品なら、だいたいこの箱」という判断は、長年勤めるベテラン作業員の暗黙知に依存しており、マニュアル化が極めて困難だ。
この「属人化」こそが、梱包作業に潜む隠れた損失源である。
ベテランが休めば生産性が落ちる。繁忙期にスポットスタッフを入れても、箱選びに迷って時間がかかる、選んだ箱に商品が入らず手戻り作業が発生する。さらには不適切なサイズの箱を使うことで配送料が膨れ上がる。「箱のサイズを決める」という些細に見える判断業務のために、多大な損失を支払い続けているのだ。
高精度計算と低負荷運用を両立、ユーザーと共に進化するAI
最適な梱包を実現するためには壊れやすさなどの商品特性や緩衝材の有無など、多角的な要素を考慮しなければならず、これらが属人化が解消できない膠着状態を生んでしまっている。
この膠着状態に対してROMSが開発した「梱包アシストAI」は、3D配置シミュレーションによる、一般的な容積計算を凌駕する高い箱推奨精度と、梱包手順のビジュアルおよび指示文言表示により、梱包業務効率化と標準化を共に実現が可能だ。
ただ、この機能が最大限に発揮されるためには商品のサイズ情報(商品マスタ)の正確な登録が必要となることが、ユーザーにとって大きな負担にもなる。荷主やベンダーなどから提供されるデータにサイズが含まれていなかったり、新商品が出るたびに計測する余裕がないといったケースも少なくない。
そこで梱包アシストAIでは、より円滑な運用を支援するため、「マスタレス運用」というアプローチでこの課題を突破する。
商品の3辺サイズ情報がなくても、 AIが、出荷データ上の商品名やJANコードなどをキーにウェブ上の情報を検索したり、サイズ情報を推測することでマスタ整備を補うことができる。これにより、マスタ整備の負荷を下げながら、すぐにでもシステムを利用開始することが可能だ。
もちろん、推測による情報には正確性に欠ける可能性があるが、実はROMSの真価はここにある。現場の梱包作業者がその場で簡単にフィードバックができ、それに対して現場管理者およびROMSによる改善を繰り返すことで精度を向上させられる、「現場の声を糧に育つ」ソリューションなのだ。
つまり、梱包アシストAIの特長は、一般的な容積計算よりも精度の高い仕組みを持ちつつ、AIによる検索や推測でマスタ整備の負荷を下げながら、現場作業者からのフィードバックと改善を繰り返すことで、高い精度を維持・向上させていく点にある。
誰でも「最適解」を出せる仕組みで年間1000万円削減を実現
梱包アシストAI導入後の現場では、作業品質が劇的に標準化される。このシステムは「最適な箱サイズ」を推奨するだけではなく、「どの商品を、どの向きで、どの順序で入れるか」までも、3Dで視覚的に教えてくれる。
さらに、「割れ物はプチプチで梱包」「チラシは一番上に」といった、商品ごとに異なる細かい付帯作業も画面上で指示が出せるため、記憶に頼る必要がない。
これにより、入ったばかりの新人やスポットスタッフでも、迷うことなくベテラン作業員と同じ品質で作業が可能になる。 実際に導入した現場では、箱選びの迷いが消えたことで1件あたり30秒の作業時間を短縮。これは1日500件の出荷現場で、年間1000時間分の工数削減に値する。さらに、過剰なサイズの箱を使わなくなることで適切な配送料で送る事ができ、1件あたり20円の配送料削減を実現した事例も出ている。これは1日2000件の現場で、年間実に1000万円の削減効果だ。
導入しやすい「変動費型」モデル
経営的な観点から見ても、本サービスは魅力的だ。大型マテハンのような初期投資は不要で、既存のPCやタブレットがあれば最短3営業日で利用を開始できる。
料金体系は固定費用無しの「従量課金制」を採用。 荷主の撤退や物量の波動リスクを常に抱える企業にとっては、固定費を抱えずに「使った分だけ」コストが発生するモデルは、導入のハードルを極限まで下げてくれるはずだ。
すぐにでも導入できる「判断」の自動化
前回記事で触れた通り、ROMSの真髄はハードウエアだけではなく、現場を最適化する頭脳(ソフトウエア)にある。その高度な能力が今、大規模な設備投資を必要としない梱包アシストAIという形で、すべての現場へ開放された。
「箱を選ぶ」という判断業務をAIに委ねることで、現場は初めて「人の経験値」への依存から脱却できる。これこそが、人手不足とコスト増に悩む物流現場がまず取り組める、最も現実的で効果的な「一歩」ではないだろうか。
百聞は一見に如かず。本当に精度が出るのか、現場のオペレーションはどう変わるのか。その実力を、ぜひ自身の目で確かめてほしい。
1月21日から23日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「第10回 ロボデックス」にROMSが出展する。梱包アシストAIの実機展示も行われる予定だ。
また、遠方で来場が難しい、あるいはより詳細な操作画面を確認したいという人に向けては、定期的にオンラインセミナーも開催されている。
梱包アシストAIはきっと、属人化という「見えないコスト」から現場を解き放つ、最初の一歩となるはずだ。
場所:東京ビッグサイト 南展示棟
ブース番号:南1ホールS2-8(エスカレーター降りてすぐ)
ROMSセミナー関連サイトはこちら:
https://roms.inc/seminar
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