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プロロジス、北米・欧州の物流施設市場調査レポートを公表

2010年9月30日 (木)

拠点・施設プロロジスは30日、ことし上半期(1-6月)の米国・カナダ、欧州を対象とした物流施設マーケット調査レポートを公表した。同社の営業担当者、仲介会社、シンクタンクなどから集めたデータをもとに作成したもの。

 

<米国・カナダ>
大型の物流施設スペースの空室率は、2010年第1四半期の10.4%から第2四半期には10.2%に減少した。09年下期(7-12月)には実質的に横ばいだった。全体の稼働率は10年第2四半期に0.2%上昇し、140万平方メートルの増加だったが、09年下半期の微増に比べると大幅な増加だった。

 

10年第2四半期に主要なマーケットでの希望賃料は平均で1.6%減少し、9四半期連続の減少となった。希望賃料は最も景気のよかった08年第1四半期に比べ、18.4%下回っている。

 

新規の施設供給は10年に過去最低を記録する見込み。数少ない新規着工の大半が特定の顧客向けのビルド・トゥ・スーツ(BTS)型施設の開発。今後、「一部の不動産アナリストは物流不動産マーケットの賃料が12年か13年に急上昇する可能性を示唆している」という。同社では「商業不動産開発向けの貸出債権の損失の増加を考慮すると、向こう数年間、米国の銀行が新規の商業不動産開発のために積極的に融資を行うかどうかは疑問」としている。

 

<欧州>
10年上半期に欧州の物流施設マーケットへの投資の流れは、利回りにはほとんど影響がなかったものの、急激に上昇した。10年上半期中には、北欧やドイツ・ベネルクスなどの北欧州マーケットを例外として、欧州全域で新規開発の開始が抑制されていた。また数少ない新規開発スタートは基本的にビルド・トゥ・スーツ(BTS)プロジェクトだった。

 

10年半ばには欧州の物流施設の稼働率は安定していたが、地域によってばらつきがある。オランダ、ベルギーや南欧州では90%以上だが、中央ヨーロッパ、英国では83-84%。欧州全域の物流施設の需要はサプライチェーンの再構築、物流コスト削減への取り組み、サプライチェーンの効率化の流れに支えられ、10年上半期も引き続き堅調だった。

 

同社では「欧州での大型で近代的な効率的な物流施設の不足に加え、顧客が欧州全域の物流効率向上を重視するようになったことが、今後の新たな物流施設スペース需要を牽引すると考えられる」としている。