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日販、待機短縮へ物流拠点に車両予約受付システム

2022年5月11日 (水)

荷主日本出版販売(日販、東京都千代田区)は11日、物流拠点「王子流通センター」(同北区)内の注文品搬入用トラック発着バースで、Hacobu(ハコブ、同港区)のトラック予約受付システム「MOVO Berth」(ムーボ・バース)を導入したと発表した。

トラックドライバーの長時間労働の一因になっているのが、トラックがセンターに入場してから積み込みや荷下ろしといった作業を開始するまでの待機時間だ。毎日300台以上のトラックが入場する同センターでも、注文品搬入用トラックを中心に平均で1時間以上の待機時間が発生。ドライバーに負担を強いる状況となっていた。

日本出版販売は持続可能な出版流通を実現するため、ドライバーの労働環境改善が急務と判断。この状況を打破するため、注文品搬入用トラックバースでのムーボ・バース導入に踏み切った。

ムーボ・バースの活用によりトラックの入場時間を事前に予約することが可能となったことから、順番待ちの待機が不要となった結果、9割以上の車両で待機時間を30分以内に短縮することができた。


▲MOVO Berth導入前(左)と後の車両待機場所の比較(出所:Hacobu)

運送会社の協力もあり稼働当初より高い効果を発揮。「待機時間が削減された」「前後の配送業務が効率化された」との声が寄せられたという。待機時間の短縮は、車両のアイドリングによる燃料消費の削減効果ももたらした。待機時間中に常時アイドリングしていたと仮定した場合と比べて年間で最大8トンのCO2排出削減を見込む。

日本出版販売は今回のムーボ・バース導入を契機として、新刊搬入用バースや出荷用バース、他拠点での導入拡大を検討するなど、ドライバーのさらなる負担軽減を目指す。