ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

セイノーが地区宅便を買収、ラストワンマイル強化

2022年8月30日 (火)

(イメージ)

M&Aセイノーホールディングス(HD)は30日、メール便配送の老舗である地区宅便(東京都練馬区)を買収すると発表した。地区宅便は1980年の設立以来、メール便事業のパイオニアとして業界をリードしてきたが、現在は大手の競争の中で存在感が薄れてきており、セイノーグループの中で再出発する。セイノーHDは地区宅便のノウハウやネットワークを活用してラストワンマイル配送網を強化する。

発表によると、セイノーHDが9月1日付で地区宅便の株式の100%を取得することで両社が合意した。買収額は公表していない。地区宅便の社長にはセイノーHDの河合秀治執行役員(事業推進部ラストワンマイル推進チーム担当)が就き、鎌田光男社長は顧問に退く。

地区宅便が持つラストワンマイルのネットワークとセイノーHDが持つ幹線ネットワークを組み合わせることで、時代に即した新たな配送ネットワークの構築を目指す。EC(電子商取引)の拡大につれ、一個単位の荷物が増えていることから、セイノーは小サイズの荷物に強い地区宅便のノウハウが生かせると判断した。

地区宅便は1980年に複数の運送会社が出資し、協同組合として設立された。メール便のほかポスティングを手掛けてきた。独自の商品追跡管理システムを導入するなど、運送業界をけん引した時代もあった。2004年に株式会社に組織変更し、現在は東京本社のほか、埼玉、千葉県や北海道に支店を持つ。