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厚さ2センチ段ボール対応の自動封函機、ロック

2022年11月10日 (木)

▲半自動封函機「LCB-H20」(出所:ロック)

サービス・商品包装機械メーカーのロック(大阪府八尾市)は9日、薄型に対応した新たな半自動封函機「LCB-H20」を開発したと発表した。厚さ2センチの段ボールにテープを貼ることができる仕様。

拡大するインターネット通販需要で配送用段ボールの利用が増えるなか、同機器の導入による梱包箱のダウンサイジングを通じて積載効率の改善に寄与する。

新製品は梱包技術を向上させたことで実現。導入すると梱包箱を宅配便サイズからポストインサイズに小さくできるため、輸送費を大幅に減らすことができる。積載効率の改善により排気ガスやごみの削減、過剰梱包の解消にもつながるとしている。価格は200万円。

ロックの半自動封函機に見る、ECサービスがもたらす物流業界への「変革の潮流」

新型コロナウイルス感染拡大も背景としたEC(電子商取引)サービスの急速な普及は、物流業界にさまざまな変革を迫っている。仕分けや輸配送などの現場における取扱量の増大もさることながら、その商品を注文者に届ける手段として欠かせない梱包用段ボール箱の需要も高まっている。

ECで商品を販売する上で、こうした梱包用段ボールは品質確保の観点で重要だ。とはいえ、商品の梱包用にあらかじめ用意しておく必要のある段ボール箱は、以前と比べて種類が増えたとはいえ、決まったサイズのなかで対応せざるを得ないのが実情だ。

多くのサイズの段ボール箱をそろえようとすれば、それだけコストも余分にかかる。価格訴求型のビジネスモデルを掲げる事業者ならば、サイズの種類をある程度限定したくなるのもうなずける。その結果、注文した商品が、およそ不釣り合いな大きさの段ボール箱で届くということになる。

(イメージ)

ECビジネス市場が今後もさらに拡大を続けるのは間違いないだろう。その過程で配慮が必要になるのが、持続可能な社会の実現に向けた取り組み、つまりSDGsの発想だ。ECサービスで考えるならば、適したサイズの段ボール箱による商品の梱包は、資源の有効利用による環境配慮や輸送効率の向上といった観点から、効果的な取り組みと言えるだろう。

コスト負担が増えたとしても、社会貢献の取り組みが評価されれば企業価値の向上という形でプラス効果を生み出せる。長期的ビジョンに立脚すれば、持続的な利益の創出につなげられるというわけだ。

こうしたECビジネスにおける梱包資材の最適化は、ロックのような包装業界の事業者にとってもビジネス機会の創出につなげる好機だ。これまでは対象でなかった領域の商品も、今後はECサービスで取り扱うことが当たり前になるであろう。それは商品のサイズがより多様化することを意味しており、梱包プロセスにも相応の対応が求められるからにほかならない。

店頭から宅配へ、消費者に購買シフトをもたらしているECビジネスは、物流という機能の再定義を迫った。この潮流は、梱包をはじめとする物流関連ビジネス全体の事業戦略をも一気に変えようとしている。その流れに乗り遅れてしまえば、もはや生き残るのは非常に難しくなるだろう。(編集部・清水直樹)

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