アパレル日本を代表するスポーツブランド、ミズノがワークビジネス事業部を立ち上げたのは2019年。その後、コロナなどの影響を受けながらも着実にその認知度を高め、24年度の決算では140億円の売り上げを記録。27年に向けた目標は200億円と、当初目標を上昇修正して事業成長を目指す。
課題解決型商品としてスポーツ用品の開発ノウハウを活用した製品開発、スポーツで培われたミズノブランドの信頼性が、ワーク市場に浸透・拡大しているのは間違いない。
「特に近年は、現場で働く人々への快適な作業環境の提供、魅力ある作業現場への意識も高まっている。作業シーンのパフォーマンスを高めるために、広く親しまれているミズノというブランドが後押しできれば」と、同社コーポレートコミュニケーション室の武蔵錬氏はいう。物流や製造現場の人で不足、定着率の低さを改善するには、作業着やユニフォームへの配慮、現場に受け入れられるウェア選びも重要な事業戦略だ。また、作業現場の労災事故防止への取り組みを、今後さらに強化していくことが、事業存続の前提となるだろう。スポーツで培われた動きやすさと快適さは、事故防止にも役立つ機能であり、同社のワークウェアの普及拡大を予想させる。

▲「ミズノ ワーキング エヌ」ブランドイメージビジュアル(出所:ミズノ)
そんなミズノが、5月20日から新たなワークアパレルカテゴリーとして「ミズノ ワーキング エヌ」を立ち上げた。公式オンラインの限定販売で、これまでの定番ワークウェアとは一線を画する商品展開となる。
「ターゲットに想定したのは、40-50代の中小事業者の管理職。現場や日常の移動時の利用はもちろん、商談の場でも使えるような、1日を通してアクティブなリーダーに楽しんでもらえるウェア」(武蔵氏)。なんといってもこだわったのはデザインだ。これまでの内製デザインではなく、外部デザイナーを起用。差別化や個性を重視し、それぞれのこだわりに応えながらも、撥水・消臭・ストレッチといった機能性を備える。価格帯もこれまでの定番ウェアよりも高めに設定、「企業のユニフォーム、一括購入といった利用ではなく、ファッションにこだわりがある人たちにもミズノを選んでもらう、着て楽しんでもらえるようなブランドとして定着させたい」(武蔵氏)という。

▲コーポレートコミュニケーション室 武蔵錬氏
ブランド立ち上げに合わせて発表した「春-秋」に続き、今後は「秋-冬」アイテムも控える。変わらないことが、企業の制服として重要だった定番ウェアとはまったく違う発想で、シーズンごとにワークウェアを提案するという戦略は、「ワークウェアのEC(電子商取引)拡大、toC需要呼び起こしにも期待」(武蔵氏)するものだという。
ミズノ ワーキング エヌは、作業現場でも「自分らしさ」を表現できること、自分だけの一着を選ぶワクワクを感じてもらうことで、物流・製造現場を魅力あるものに変えようとしているのである。
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