ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

佐川急便が宅配便を4月に値上げ、平均8%

2023年1月27日 (金)

ロジスティクス佐川急便(京都市南区)は27日、宅配便の運賃を2023年4月1日から平均8%引き上げると発表した。値上げは2017年11月以来、5年半ぶり。燃料価格の高騰や労働コストの上昇、従業員・パートナー企業の労働環境改善などを理由に挙げ、ドライバーの待遇改善や配送を委託している協力会社(パートナー企業)との取引条件の改善を行う。佐川は2022年12月に協力会社との関係について、公正取引委員会から「価格転嫁の協議を行っていない行為が確認された」と社名を挙げて指摘された経緯もあり、値上げは公取委の指摘への対応ともなる。

(出所:佐川急便)

発表によると、値上げの対象は「飛脚宅配便(飛脚クール便を含む)」「飛脚特定信書便」「飛脚ラージサイズ宅配便」。値上げ率は、主力の60~80サイズが10%、100サイズ以上が7%となる。例えば、関東から関西への運賃は飛脚宅配便の60サイズが現在の880円から970円に、飛脚クール便付加料金の140サイズ(20キロ以内)が715円から880円に、飛脚ラージサイズ宅配便の170サイズが3135円から3360円に、それぞれ変わる。

燃油高騰分を転嫁、労務・協力会社関係の改善も

長引くエネルギー・燃料価格の高騰にトラック運送各社も苦しんでいるが、燃料価格上昇分の運賃への転嫁は他業界に比べて進んでいない。荷主との力関係が大きな原因だが、個人などを対象とする宅配便の場合は、ライバル会社との熾烈な競争を背景に据え置きが続いていた。しかし、ここにきて政府や業界団体もサービス品質の提供・向上には運賃適正化(コスト上昇分の価格転嫁)が必要であると、強く指摘するようになった。大手の佐川が値上げに踏み切ることで、宅配の同業他社にも値上げの動きが広がる可能性が出てきた。EC(電子商取引)の急拡大による荷物の増加で、配送スタッフの業務量も激増しており、運賃値上げで労働者の待遇改善も期待される。

協力会社も元請け同様に燃油高や配送スタッフの待遇改善への対応を迫られている。「協議を行っていない」と公取委に名指しされた佐川はその後、「協力企業に対する積極的な協議の場の設定が要請されていることを読み取ることができていなかった」と説明。協議の場を設ける対応を進めているといい、宅配運賃の値上げで協力会社との関係改善に弾みがつく可能性もある。

価格転嫁の協議徹底へ、佐川や丸和などコメント

SGHDの3Qは本業で減収減益、通期予想を下方修正

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com