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新潟運輸が大阪の利用運送業・大信物流を買収

2023年3月31日 (金)

M&A新潟運輸(新潟市中央区)は3月31日、大信物流輸送(大阪府枚方市)が同日付で100%連結子会社となり、新潟運輸グループに加入したと発表した。大信物流の創業者オーナーから株式の譲受を受けた。特積み輸送を伝統とする新潟運輸は貸切事業を強化するため大信物流の関西、関東の顧客基盤を取り込む戦略。大信物流の側も「物流の2024年問題」で長距離運送が困難になることが予想され、新潟運輸の全国店舗網を中継拠点として活用したい考えで、ウインウインのM&Aが実現した。

大信物流輸送は関西や首都圏、東海地区を中心に全国15営業所で利用運送事業を展開する総合物流企業。全国7000社以上のパートナー企業を持ち、独自の運行管理システムによる効率的な運行サポートで高品質な輸送サービスを全国に展開している。数十人のオペレーターによる求貨求車マッチングサービスも手掛けており、関西と関東を中心に多くの荷主企業を取引先に持っている。

▲新潟運輸の女性専用トラック「姫トラ」(出所:新潟運輸)

新潟運輸グループは現在、全国90店の店舗で特積み事業と貸切事業を展開している。大信物流を子会社化した目的を、グループの事業拡大と「2024年問題」を始めとした物流業界の課題解決を図るため、としている。特積みから貸切輸送へと比重を移すうえで、関西、関東地方の顧客が比較的弱く、両地域に大信物流が持つ顧客基盤が魅力と映った模様だ。

大信物流の側は、働き方改革法により24年4月からトラックドライバーの時間外労働規制が強化されると、傭車による長距離輸送が困難になる問題に直面していた。新潟運輸が各地に持つ支店を中継拠点にして別の傭車会社のトラックに荷物を積み替えることで長距離輸送を維持する戦略だ。

今後は貸切事業を中心に両社間の連携活性化を推し進め、取引先に対しこれまで以上に多様な輸送サービスを提供する方針という。事業ポートフォリオの変革を求められている特積み運送会社と、24年問題への対応に不安を抱える利用運送事業者が、互いの弱点を補完し合い、物流の大変革期を乗り越えようとするケースとして、他の運送各社にも刺激となるM&A戦略となった。

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LOGISTICS TODAY編集部
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