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労働基準関係法令違反、運輸業関連事案まとめ

2023年10月13日 (金)

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行政・団体厚生労働省労働基準局監督課は全国の「労働基準関係法令違反に係る公表事案」を公表した。これは昨年9月1日からことしの8月31日までに各都道府県の労働局が送検、公表した事案をまとめたもの。事業者・企業の多くは中小企業だが、規模は個人事業者から上場している大企業まで含まれている。労働者の安全の確保や労働の健全化に起因する2024年問題を控える運輸、運送、物流関連でも少なからぬ企業が労働基準関係法令違反で送検されている。

業種を問わず多いのが賃金の不払い。複数名の従業員に対して何か月も賃金を支払わないことで1000万円を超える不払いなども散見されるが、1人の従業員に対して5万円の賃金不払いで送検される例も見られる。また、即時解雇にあたって30日分の平均賃金を支払わなかったことで送検されたケースもあり、雇用中だけではなく、解雇の際にも法令の確認が必要になる。また、24年問題では時間外労働が焦点の一つとなるが、24年4月以前でも36協定違反で15件が送検され、うち5件が運輸関連となっている。

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労働者の安全、健康にかかわる事案も多く、物流の現場でも多く使われるフォークリフト関連だけでも、「無免許で使用させた」、「無資格で運転業務を行った」、「フォークリフトを用いて作業を行う際に労働者を危険な場所に立ち入らせた」、「フォークリフトに接触の可能性がある場所に労働者を立ち入らせた」、「走行経路内に労働者を入らせた」――などさまざまなケースで送検されている。

クレーンでも「無資格での取り扱い」、「合図を行わなかった」、「労働者をクレーンで釣り上げて作業させた」、「無資格者が玉掛け作業をした」、「玉掛けをしたつり荷の下に労働者を入らせた」――など、労働者の死傷につながりかねない事案での送検がある。

注意深く作業を行っていても、従業員が業務の中で傷病を負ってしまうことがあり、業務に復帰できるようになるまでは休みを取ってもらうことになるが、その際に「遅滞なく労働者死傷病報告書を提出」しなかったために送検されたケースもある。中には「虚偽の内容の労働者死傷病報告を提出」するなど悪質なケースもあるが、法令への知識や理解が不足していたために提出が遅れたり、未提出になる場合も考えられる。意図していなくても各種法令に違反してしまう可能性もあり、労働基準法や労働安全衛生法、最低賃金法などを確認しておく必要がある。

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LOGISTICS TODAY編集部
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