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リクルートが新規雇用創出事例を公表

【事例紹介】勤務時間を多様化してドライバー雇用

2024年1月26日 (金)

調査・データリクルートはこのほど、2024年4月1日に迫った時間外労働規制の強化を前に、長時間労働を抑制する目的で短時間ルートの設置と、勤務時間の多様化を推進し、これまでドライバー職を諦めていた人たちの雇用につなげた物流事業者の施策を紹介した。

スポットを当てたのは、静岡県東部の市街地から南伊豆町までのエリアで、コンビニエンスストア商品の店舗配送を手掛けるセイセイトラフィック(静岡市清水区)。同社では従来、配送は12時間かかるルート1本のみと、労働時間の調整が難しい業務形態もあり、採用に苦戦していた。

セイセイトラフィックは人材確保のため、給与形態の見直しと、配送ルートの効率化に着手した。給与形態は時給から月給へと変更。それまで給料を上げるべく残業時間がかさんでいた従業員にも配慮し、安定的な給与を保証することでモチベーションが下がらないようにした。

配送ルートは入れ替えや組み替えを行い、配送時間を午前と午後でそれぞれ30分ずつ、1日1時間短縮できた。これにより、従来の12時間ルートのほか、新たに6時間ルートを設定。労働時間の柔軟な調整が可能となり、時間外労働を法定内に収めるられるようになった。

また、労働時間の多様化によって新たな働き手を確保するため、9時間ルートも新設。このルートでは、早朝から昼過ぎまで、あるいは昼からと都合に合った時間帯での勤務が可能となっている。

これらの施策を実施した上で求人募集を行ったところ、3か月で20人以上からの応募を受け付けた。これまでドライバー職を敬遠していた未経験者や、長時間は働けなかった人など、多様な働き手が集まるようになり、特に新設の9時間ルートには多くの応募が寄せられたという。

ジョブズリサーチセンター長の宇佐川邦子氏は同社の取り組みや成果を受け、「制度やルール作りだけで満足せず、求職者の視点に立ち、求められる働き方、キャリア形成の考え方などと向き合うことも大切。働き手に寄り添い、従業員がより活躍できる仕事や職場環境は何かを考え、働き方改革をすることが重要だ」と指摘している。

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LOGISTICS TODAY編集部
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