調査・データ日本電気(NEC)は1日、道路からの発信される情報をもとに自動運転車両の安全性を高める「路車協調」の実証実験に参加し、高速道路での「情報提供の継続性」の有効性を確認したと発表した。この実証実験は中日本高速道路(NEXCO中日本)が主体となり、NECをはじめとする全10企業・団体が参加。23件の実証実験を行った。
路車協調実証実験は5月13日から、新東名・新秦野インターチェンジ(IC)-新御殿場IC間で7月末まで行われた。
NECが担当したのは、渋滞・通行止めなどの交通状況をリアルタイムに把握し、前方の交通状況に応じた最適なルートを後続車へ通知する実験と、渋滞などの車列をリアルタイムに把握し、前方の交通状況に応じた最適な車線、速度、車間を後続車へ通知して渋滞の緩和や発生を未然に防ぐ実験で、7月2日から9日まで行われた。
実証実験では、道路上の情報を収集する車両検知センサーと、コネクテッド車に対し情報を提供する設備を道路わきに設置。車載器を搭載したコネクテッド車を実際に走行させ、正確な情報提供が行われ、適切に自動運転に反映されるかどうかなどを検証した。
その結果、情報を提供する設備を設け、高速道路空間を連続的な通信エリアとして構築することで情報提供の継続性の有用性が確認できたほか、センサーによる連続的な情報収集と情報通信設備によって、渋滞や事故などの発生から情報提供まで秒単位での実現を果たした。従来のスポット観測による情報収集とFM多重放送による情報提供では、発生から情報提供まで15分程度かかっていた。
NEXCO中日本は今後、国土交通省や国土技術政策総合研究所、東日本高速道路(NEXCO東日本)、西日本高速道路(NEXCO西日本)などと連携し、高速道路での路車間通信の仕様などを検討していく。また、今回の実証結果は、ことし度末から新東名・駿河湾沼津SA-浜松SA間およそ100キロで国交省が実施する自動運転レーンの実証実験でも活用される。
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