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矢野経済研究所、物流統括管理者がSC戦略を担う

2024年10月29日 (火)

調査・データ矢野経済研究所は29日、物流関連法の改正によって、一定規模以上の荷主(特定荷主)に対して設置が義務付けられた「物流統括管理者」について、日米での役割の違いや、日本で求められる職務をまとめたレポートを公表した。

今年5月に公布された「物資の流通の効率化に関する法律」では、輸送などの契約を適正化し、配送業務の効率化を図るため、特定荷主に対して中長期計画の作成や定期報告などを義務付けたほか、物流統括管理者の選任を義務付けた。これによって、特定荷主に該当する企業では、これまで以上に自社製品の物流を主体的に考え、コントロールすることが求められるようになる。

これについて、同社は「物流統括管理者の設置で、物流事業者単体では取り組むことができなかったさまざまな施策が実施され、物流の効率化が進むと期待される」とし、「物流統括管理者は自社の持続可能な物流を構築するため、物流事業者と対話しながら、自社と物流事業者の双方にメリットがある取り組みを進めることが重要だ」と指摘している。

また、同社によると、米国企業にも物流を統括するCLOがいるが、設置の背景が異なる。米国では、自社の商品やサービスの価値向上を図ったり、企業の競争力を強化したりするため、サプライチェーン(SC)の強化に取り組む企業が多い。このため、CLOは多様で安定したサプライヤーの確保やCO2排出量の削減、中国をはじめとする対外政策といった役割を担う。

一方、日本では、社会インフラである物流の持続的な成長を目的に、物流の効率化と商慣行の見直しが求められている。解決すべき課題として、具体的に荷待ち・荷役などの時間の削減や積載率の向上などが挙げられており、物流統括管理者はこれらの課題解決に向けた取り組みが求められる。

同社は「もし、米国企業のCLOなどの役割を参考にするのなら、日本では自社製品の価値を高めるためのサプライチェーン戦略の一環として設置することが望ましい」としたうえで、「物流の効率化や見直しに向けて、自社の事業戦略とサプライチェーンを合致させることが不可欠だ」と指摘している。

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LOGISTICS TODAY編集部
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