調査・データ米市場調査会社のIMARCグループは24日、日本の商用テレマティクス市場規模は、2024年に16億8100万ドルに達し、33年には61億2800万ドルにまで拡大するとのレポートを公表した。この間の年平均成長率は15.5%と予測している。
テレマティクスは、「電気通信(テレコミュニケーション)」と「情報処理(インフォマティックス)」を組み合わせた造語で、車両などの移動体に通信システムに装備して提供されるサービスを指す。
日本では、先進運転支援システム(ADAS)とリアルタイム診断機能を搭載したコネクテッドカーの需要の高まりが、市場の成長を牽引している。特に中部地域では、三菱電機の統合システムの開発などによって、コネクテッドカー向けテレマティクスは高い成長を見せている。また、政府が商用車に対し、車両追跡を含む厳格な安全基準を義務付けていることも、テレマティクスへの需要を押し上げている。
一方、通信面でも5Gカバレッジは24年に都市部の70%に到達し、低遅延データ転送によってテレマティクスの性能が向上している。NTTコミュニケーションズなどのクラウドベースプラットフォームといった技術革新が、導入をさらに加速させている。
市場のシェアをサービスや商品別にみると、車両追跡・モニタリングなどのシステムが、リアルタイムのGPS追跡とドライバー管理の需要に牽引され、24年には市場の6割を占めた。保険テレマティクスも、利用状況に基づく保険モデルの普及に支えられ、最も急成長している。
システムのタイプ別では、組み込み型テレマティクスシステムが信頼性の高さなどから、市場の5割を占めると予測されている。スマートフォン統合型システムも、手頃な価格と柔軟性から普及が進んでいる。
業界別では運輸・物流分野は、eコマースとラストマイル配送のニーズに牽引され、24年には市場シェアの45%を占める。政府・公益事業分野も、公共安全への取り組みによって、最も高い成長率が見込まれる。
レポートでは、日本の商用テレマティクス市場の展望について「EC(電子商取引)や5Gの普及、法規制の強化を背景に、2033年まで力強い成長が見込まれる。特に関東や関西といった都市部は物流活動の活発さと技術インフラの充実によって、市場を牽引する」と指摘。「自動車とさまざまなモノを通信でつなぐV2Xシステムや、AIを活用した分析といった技術革新によって、持続的な成長が期待される」としている。
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