サービス・商品TOPPANホールディングスのグループ会社で、システム開発などを手掛けるTOPPANエッジ(東京都港区)は9日、製品の物流時の温度や振動、気圧などの情報をセンサーで取得し、国際標準仕様「EPCIS 2.0」に対応した識別コードに変換する国内初の物流サプライチェーンマネジメント(SCM)システムを開発したと発表した。データは企業間での共有が可能で、同日から高度な品質管理が求められる医療・医薬業界などを中心に提供を開始した。
同システムを導入すると、輸送中などの企業間の情報伝達のタイムラグを解消できるほか、ICタグやバーコード、QRコードなどで取得した製品情報を事前に把握することで検品作業の効率化を図れる。さらに製品温度の共有などによる高度なトレーサビリティーに基づいた品質管理も可能になる。
近年、企業活動のグローバル化によって、SC最適化による各工程の標準化、自動化、効率化が求められているほか、欧州が先行して制度化を進めているデジタル製品パスポート(DPP)では、製品のライフサイクルに沿ったトレーサビリティーの確保が必要とされている。こうしたことから、製品に関するさまざまな情報をグローバルSC上の全ての関係者が共有できる国際標準仕様「EPCIS」に基づいた製品情報管理の需要が高まると予想される。
このため同社は、各種ICタグ・ラベルやセンサー、輸送容器所在管理システムの開発などでSC効率化の課題に取り組む中で培ってきたグループのノウハウを生かし、EPCIS 2.0に対応した物流SCMシステムの開発を行った。
今後、原材料の調達から製品の製造・流通・販売、消費者への提供までサプライチェーン全体のプロセスを統合的に管理し、最適化できるようシステムの機能拡大を進めていく。また、同システムとTOPPANグループ各社の物流システムやサービス、商品などを組み合わせて、利便性や機能の向上を図る。これによって医療・医薬品業界をはじめ、製造や物流、小売業界などを対象に、同システムと物流関連のIoTサービスで、2028年までに10億円の売り上げを目指す。
同システムは9日から11日まで開催される「製造業DX展」(幕張メッセ)と、16日から18日まで開催される「国際モダンホスピタルショウ2025」(東京ビッグサイト)で展示される。
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