
(出所:マラナタ)
サービス・商品梱包材の製造などを手掛けるマラナタ(浜松市中区)は23日、平均20%の梱包コストを削減できるイチゴ専用梱包資材「無重力トレー」を開発したと発表した。果実が直接底面に接しない「浮かせて守る」構造で、振動や揺れを緩和し、平詰め用ダンボールが不要になる。
見た目の良さが価格にも反映するイチゴは、わずかな接触や揺れ、時間の経過によって色落ちや水分抜け、カビの発生が起きやすく、柔らかい高級品種ほど遠方への発送や長時間の店頭陳列が難しい。
防腐用のエタノール蒸散材を使うと長持ちするが、果実に直接触れる恐れがあり、品質や安全性の点の懸念からあまり使われていない。このため、同社では果実の繊細さと物流コストという課題を解決するトレーの開発に取り組んだ。
開発した無重力トレーは、トレーと果実保護フィルムが分離した構造になっており、イチゴが宙に浮いたような状態で、保存や運搬ができる。これによって、輸送中の潰れや玉踊りを防ぎ、柔らかい品種でも遠距離輸送が可能になる。
ふたには支柱がついており、最大15キロの重さに耐えられるため、トレーを縦積みにしても、果実に影響がない。これによって、店頭などではより多くの商品を陳列できるようになり、平詰め用ダンボールも不要になる。
また、金型製作から自社で対応し、量産することでコストダウンし、価格も大幅に抑えた。これらによって、梱包コストは最大50%、平均20%削減できるという。
さらに、トレーとフィルムの間のスペースにエタノール蒸散材(防腐剤)を挟むことで、果実に直接触れることなく防腐効果を発揮させることが可能になった。蒸散材はトレーに1つ設置するだけで、効果が全体に広がり、カビの発生や腐敗のリスクを大幅に軽減する。
色はクリアと黒の2種類で、5粒用から20粒用まである。同社は「これまでコストが原因で諦めていた遠距離販売が実現し、農家の収益向上や輸出拡大、環境負荷の軽減という好循環も期待できる」としている。
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