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猛暑対策展が開幕、多彩な熱中症対策製品が集結

2025年7月23日 (水)

環境・CSR日本能率協会(JMA)が主催する「猛暑対策展」が23日、東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開幕した。展示会は25日までの3日間開催される。ことし6月から職場での熱中症対策が義務化されたこともあり、会場には多くの来場者が詰めかけた。出展社数は120社に上り、各社が猛暑に立ち向かうための最新ソリューションを披露した。

会場では、今や夏場の作業現場で日常的に見かけるようになった空調服・冷却服が多く出展された。電動ファン式、水冷式、ペルチェ素子式、保冷剤タイプ、さらには冷やしたペットボトルを活用するタイプなど、冷却方式は多岐にわたる。これらは使用環境や作業内容によって最適な選択肢が異なるため、実機を比較しながら試すことができる貴重な場となった。

▲テキスタイルのデザインに凝った空調服も提案された

▲ヘルメットのような安全用品にも通気性や遮熱性の高いものが登場

また、倉庫や工場向けに人気が高まっているスポットクーラーについても多彩な展示が行われた。対応面積の広さ、一度に冷却できる人数、移動性など、製品ごとに差別化された特徴が紹介され、導入を検討する来場者の注目を集めた。さらに、巨大ファンやシーリングファンといった、直接の冷却機能は持たないが風を送ることで涼を取る設備も多数展示されていた。

派手さはないが、効果的な対策として関心を集めていたのが遮熱シート関連の製品群だ。屋根、天井、壁、窓に施工することで、施設内の温度上昇を抑え、快適性の向上と冷房効率の改善につながる。冷房のランニングコストを抑えることも可能であり、実用的かつ経済的な猛暑対策として高く評価されている。

家電メーカーのシャープは、アイススラリー(細かい氷の粒子が液体に分散したシャーベット状の飲料)を作る専用冷蔵庫を出展。アイススラリーは接種後の体内への接触面積が大きく、高い冷却効果があるとされ、厚生労働省もその有効性を認めている。市販の飲料をアイススラリー化できることから、汎用性の高さが特徴だ。担当者によれば、もともとアスリート向けに開発されたもので、運搬しやすく、工事現場など移動の多い現場にも適しているという。


▲シャープのアイススラリーを作れる冷蔵庫(左)。アイススラリーにできる状態まで冷やされた飲料を軽くたたくなどの刺激を与えると凍結が始まり、全体がシャーベット状に変化する。白い部分が凍り始めた部位。

スポーツ関連のソリューションを手がけるユーフォリア(東京都千代田区)は、熱中症対策プログラムと併せて「アイスバス」を展示。元々は高温環境下で体温が上昇したアスリートの身体を冷却するために使われてきたもので、作業現場での熱中症対策にも応用可能だ。熱中症発症時には冷水や冷却飲料の摂取と同時に、身体を直接冷やすことが重要とされており、アイスバスは現場作業者の安全確保に資する技術といえる。

職場の熱中症対策が法的義務となったいま、企業にとっては現場の安全を守るだけでなく、生産性を維持するためにも、こうした猛暑対策は欠かせない。多様な冷却手段とその活用法を体験できる本展示会は、暑さと闘う現場の実情を反映したリアルな場となっている。


▲(左から)ユーフォリアのアイスバス、サンコーが提案する頭から肩にかけての広い範囲を遮光でき作業を妨げない笠

経営課題へと格上げされる、物流現場の熱中症対策

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