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三越伊勢丹HD、三越と伊勢丹を統合、食品物流強化も

2011年1月28日 (金)

ロジスティクス三越伊勢丹ホールディングスは28日、三越と伊勢丹が4月1日付で合併し、合併会社の商号を「三越伊勢丹」に変更することを決めた。また、札幌丸井今井と札幌三越も合併、新商号は「札幌丸井三越」となる。さらに二幸とクイーンズ伊勢丹を統合し、グループ内の食品子会社を一元化することで、食品卸部門の調達力と物流機能の強化を図る。

 

三越伊勢丹HDではこれまでに、本社機能の統合、人材サービス、物流、ビルメンテナンス事業などのシェアードサービス子会社の統合を行うとともに、2010年4月にはグループの事業インフラであるシステムとカードの統合を完了。また、百貨店事業でも10年4月に、三越の札幌・仙台・名古屋・広島・高松・松山・福岡・新潟の地域百貨店事業を吸収分割でそれぞれの地域事業会社に承継させる地域事業会社化を行い、店舗の運営権限を委譲している。

 

三越と伊勢丹の合併については、経営統合した際に認識していた「百貨店が抱える根本的な課題が、統合後の経済環境の激変を経て、深刻さを増した」として、12年-13年としていた合併時期をことし4月に前倒しすることになった。

 

三越と伊勢丹が合併してスタートする「三越伊勢丹」は、首都圏での百貨店事業の方針策定、実際の店舗運営までを行うとともに、グループの国内百貨店に対し、セントラル支援機能(CPCC機能)を果たし、グループ百貨店事業の利益の最大化を図る。併せて、統合によるスタッフ部門の効率化や全体最適な要員配置、営業業務の一本化によるMD政策の強化など、より効果的な百貨店事業の運営体制を構築する。

 

合併して商号を「三越伊勢丹」と変更した後も、これまでの「三越」と「伊勢丹」のブランドを残し、顧客がそれぞれのブランドに求める価値を再認識してブランドの明確化を図る。三越伊勢丹HDでは、「全国百貨店売上高1位と2位の伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店に、10年9月に増床リモデルオープンした三越銀座店を合わせた、基幹3店舗を有するグループの特長を最大限に生かしつつ、百貨店の根本課題の解決に真正面から取組む」としている。

 

合併は三越を存続会社、伊勢丹を消滅会社とする吸収合併方式で行い、顧客の認知度を考慮して両ブランドを生かした「三越伊勢丹」に商号へ変更する。

 

札幌丸井今井と札幌三越の合併では、4月1日付で商号を「札幌丸井三越」に変更し、丸井今井札幌本店、札幌三越の事業運営を行う。札幌丸井今井を存続会社とする吸収合併方式とするが、三越伊勢丹と同様に両合併会社のブランドを維持するため、商号は札幌丸井三越とする。

 

また、同日付で三越グループを中心に食品製造・卸売を行う二幸と、首都圏を中心に19店舗を展開するクイーンズ伊勢丹とを合併し、商号を「三越伊勢丹フードサービス」に変更する。

 

三越伊勢丹グループの食品子会社として、両社のバイングパワーを集中するとともに、自社製造・加工を中心とした独自性の高いPB商品を強みに、顧客のデイリーニーズに対応するスーパーマーケット事業の強化、グループ各社への卸事業の拡大を図る。

 

併せて、スタッフ部門の効率化、PB商品の開発強化や物流の効率化などを進め、収益力の向上につなげる。二幸を存続会社とし、クイーンズ伊勢丹は消滅する。

 

このほか、三越の通信販売事業部を別会社化し、店舗以外のチャネル開発・強化施策の一環としてグループの総合的な無店舗販売事業会社に位置付け、通販事業の専門会社としてビジネスの特性を踏まえた事業の構築を行う。三越を分割会社とし、「三越伊勢丹通信販売」を新設会社とする新設分割。