調査・データSVPジャパン(東京都中央区)は7日、CCS(二酸化炭素回収・貯留)の世界市場を分析したレポート「二酸化炭素回収・貯留(CCS)-世界市場の現状と将来展望-」を会員企業向けに公開した。2025年の世界市場を45億1000万ドルと推定し、実証・研究開発を中心とした段階から商業化に向けた市場形成が進んでいると分析した。
CCSは、発電所や工場などから排出されるCO2を分離・回収し、輸送した上で地下深部に長期貯留する技術・事業。セメントや鉄鋼、化学、水素製造など、製造工程でCO2が発生し、電化や再生可能エネルギーへの転換だけでは排出削減が難しい産業で活用が期待されている。
同社によると、CCSの事業モデルは、排出事業者が個別に設備を整備する形から、複数事業者が輸送・貯留設備を共同利用するハブ・クラスター型へ移行しつつある。輸送・貯留インフラを共同利用することで、商業化に向けた事業形成が進んでいる。
市場にはエネルギー大手や産業ガス企業、回収技術・エンジニアリング企業などが参入している。回収分野では技術やコスト、EPC(設計・調達・建設)の遂行力が競争軸となる一方、輸送・貯留分野ではインフラ投資や貯留適地、許認可が必要となる。競争の焦点も、回収技術単体からCCSのバリューチェーン全体を構築・運営する事業組成力へ広がっているという。
日本では25年に苫小牧沖がCCS事業法に基づく国内初の特定区域に指定された。国内での貯留に加え、回収したCO2を船舶で海外へ輸送して貯留する国際CCSも検討されている。SVPジャパンは、30年度までの事業開始に向けて国内外で事業の具体化が進む一方、コスト低減や輸送・貯留を含む事業環境の整備が、商業化と市場形成を進める上での課題になるとみている。
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