荷主ESR(シンガポール)は8日、中東市場への進出方針を発表した。湾岸協力会議(GCC)域内で物流不動産とデータセンターを展開する長期事業基盤の構築を目指す。まずサウジアラビアとUAEを重点地域とし、物流施設とデジタルインフラを合わせて300万平方メートル超の開発案件を想定する。完成時の資産価値は100億ドル超を見込む。
同社によると、GCCでは経済成長や貿易回廊の拡大、サプライチェーン再編を背景に、近代的な物流施設への需要が高まっている。一方、機関投資家の投資対象となる高規格物流施設は不足しており、既存ストックに占める割合はUAEで20%未満、サウジアラビアでは10%未満にとどまるという。グレードA施設の稼働率は高水準で推移している。
ESRは現地に開発、投資、資産運用を担うチームを配置し、案件形成や資本投入、戦略提携を進める。地域の投資家や事業者との連携も広げる考えで、アジア太平洋地域で培った物流施設開発やファンド運営のノウハウをGCCに持ち込む。
アジアと中東の経済・物流上の結び付きが強まるなか、GCCでは港湾、製造業、EC(電子商取引)、データ需要を背景に物流・デジタル基盤への投資が続いている。ESRは今回の進出を、アジア太平洋事業の延長線上に位置付け、中東での物流不動産事業を新たな成長分野とする構えだ。
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