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出荷能力3000億円、コールドチェーンマネジメントに対応

バイタルネット、宮城県大和町の新物流拠点が稼働開始

2015年1月6日 (火)

メディカルバイタルケーエスケー・ホールディングス傘下の医薬品卸売会社・バイタルネットは6日、宮城県大和町で年間3000億円の出荷能力を持つ新物流拠点「宮城物流センター」の出荷業務を開始した。

医薬品流通の地域インフラとして開設したもので、東日本大震災の災害対応ノウハウを引き継ぎながら、今後の取扱高の拡大やスペシャリティ医薬品の流通管理などのコールドチェーンマネジメントに対応する。土地、建物、マテハン、システムを合わせた設備投資額は65.8億円で、東北、関東エリアをカバーする。

44年間にわたって地域の医薬品物流拠点として機能してきた名取物流センターは、その機能を宮城物流センターに移管。既存の物流ネットワーク網に宮城物流センターがつながることで、物流品質の向上とローコスト化を促進する。

災害対策としては、医薬品卸業界で初めて全保管エリア(建屋1階、3階)に直接トラックを乗り入れることができるデュアル(2層)トラックバースを設置。建屋は強固な岩盤層に支えられた官公庁レベルの耐震強度を確保するとともに、停電時でも大型の非常用発電機が稼働することで、主要設備を72時間稼働できる体制を整えた。また、これまでの災害経験を活かし、作業工程で自動化設備を極力排除した仕組みを導入した。

倉庫エリア、冷蔵庫(4室387坪)の空間は、「いかなる環境変化に伴う用途変更」に柔軟に対応できるスペースを確保。新たに開発した「マルチピッキングカート」により、同時に複数の配送先の商品をピッキングできる設備を備えた。また、まとめてピッキングした商品を検品しながら仕分けするゲートアソートシステム(GAS)は、効率化を図りながら出荷精度を向上させることができる。

併設する顧客センターにコールセンター機能を集約し、受注処理の効率化と顧客の満足度向上を同時に実現。ICカードによる全館の入退室管理や監視カメラによる24時間監視でセキュリティ面の配慮も万全にした。

このほか、倉庫内の照明をすべてまかなえる100KWの太陽光発電設備を設置。照明に人感センサーや昼光利用センサーを導入し、高い断熱性を持つ外壁や複層ガラス窓と併せて、省エネにも取り組む。

宮城物流センターの概要
名称:宮城物流センター
所在地:宮城県黒川郡大和町小野字明通40-7
敷地面積:48831平方メートル(14771坪)
建築面積:15053平方メートル(4553坪)
延床面積:31111平方メートル(9411坪)
構造:鉄骨造3階建て
取扱品目数:3万品目