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15年度の外貿コンテナ貨物、輸出入ともに増勢

2015年3月30日 (月)

調査・データ日通総合研究所が27日に改訂を発表した2015年度の「貨物輸送の見通し」によると、国内貨物の総輸送量は0.1%減(前期比)、国際貨物はコンテナ輸送が輸出3.1%増、輸入2.8%増、航空輸送が輸出3.5%減、輸入2%減となる見通しとなった。

■国内貨物、消費・生産関連堅調で営自1.8%増の見通し
国内貨物は公共投資の落ち込みなどを受けて、建設関連貨物がマイナスとなる一方、個人消費の持ち直し、鉱工業生産や設備投資の回復などを背景に、消費関連貨物や生産関連貨物が堅調に推移するとみて、総輸送量は0.1%減と微減にとどまると予測した。

品目別では、消費関連貨物が個人消費の持ち直し、前年度の減少の反動で食料工業品、日用品などを中心に2.5%増と堅調。生産関連貨物も、鉱工業生産や設備投資の回復を受けて、一般機械や鉄鋼に増加が見込まれる一方、自動車、化学工業品、石油製品は低調に推移するとして、トータルでは1.9%のプラスを見込む。建設関連貨物は、住宅投資がやや上向く一方、公共投資のマイナスに伴い3%台半ばのマイナスとなり、総輸送量の下押し要因になる見通し。

輸送機関別では、JRコンテナは自動車からの需要シフトの動きが続く中、積合せ貨物などを中心に3%弱の伸びを見込む。JR車扱は石油の需要減に加え、セメント・石灰石も頭打ちとなるため3%台半ばの減少に。JR全体では、1%増と2年ぶりのプラスに転じると予測した。

営業用自動車は消費関連貨物、生産関連貨物の堅調を受けて1.8%増と予測。自家用自動車は、全品類で水面下の推移が避けられないことから、4.1%減と低迷。内航海運は、鉄鋼などにプラスが見込まれる一方、主力の石油製品や建設関連貨物の不調により、0.9%減。国内航空は、景気の回復を受けて2.2%増と2年ぶりのプラスに転じると予測した。

■国際貨物、外貿コンテナは輸出入ともに増勢
外貿コンテナ貨物の輸出は、米国向けの持ち直しもあり、1-3月期は2.5%増といくぶん増勢を増した模様。一般機械、化成品も堅調に推移、自動車部品は米国向けでプラス基調を維持し、欧州向け、ASEAN向けも下げ止まった。中国向けは弱含みの状態。

15年度は、世界経済の緩やかな拡大を受けて着実な増加傾向を示し、伸び率は前年度を上回る。自動車部品など生産拠点の海外シフトの進行、現地調達率の上昇が下押し要因となり、年度全体では3.1%の増加と予測した。

輸入は2.8%の増加となる見込み。足下の食料品、衣料品などの消費財が低調な荷動きで、底堅かった機械機器類も伸び悩んでいることから、1-3月期は引き続きマイナスとなる。15年度は個人消費、設備投資がプラス成長に転じることもあり、下げ止まりから回復モードへ転じる。

円安の影響もあり、消費財に大きな伸びは見込めないが、機械機器輸入の増加が下支えとなり、年度全体では2.8%の増加と予測した。

国際航空貨物は、自動車部品の輸出が好調な太平洋線がけん引役となり、14年7-9月期、10-12月期と10%以上の伸びとなった。1-3月期は米港湾労組の怠業に伴う北米西岸の港湾混雑を背景とした海上輸送から航空輸送へのシフトにより、30%の増加、特に太平洋線は2倍以上の増加となる見込み。

労使交渉は合意に達したが、北米港湾の混雑に伴う太平洋線での盛り上がりは15年4-6月期前半まで続く見通しで、その後は自動車部品の増勢の一巡、海上からのシフトの反動もあり、太平洋線は大幅なマイナスに転じる。アジア線も、他国製品との競合が激化する電子部品関連が伸び悩む。15年度は全体で3.5%の減少と予測した。

輸入は消費財は食料品に持ち直しの兆しがみられるものの、衣料品は低調に推移。堅調だった機械機器類も、下期は一般機械、電気機械などが前年度水準割れに。15年度は、個人消費が持ち直すものの、円安に伴う輸入価格上昇の影響もあり、消費財の輸入は弱含む。電子部品など機械機器類は底堅く推移するが、輸送量を下支えするまでには至らず、全体では2%の減少を見込む。