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三井物産、シンガポールの港湾運営会社をTOB

2011年7月13日 (水)

ロジスティクス三井物産は13日、シンガポールの「Portek International Limited」の全普通株式を対象とした公開買付けを実施すると発表した。Portek社の大株主である創業者などから応募の同意を得ており、その株式数は7826万7050株で発行済株式総数の51.3%に相当する。

 

Portek社は港湾ターミナルの操業・管理、関連設備設計、機器供給を行い、高いエンジニアリング機能と効率性改善ノウハウを駆使して、港湾運営事業者の貨物取扱い量拡大と生産性向上に取り組んできた。港湾の近代化と輸送の改善を促すPortek社のサービスは、港湾での貨物取扱いリードタイムの短縮化を実現するとともに、世界中の三井物産の港湾ターミナル運営事業でも、生産性向上と効率性改善に寄与すると期待している。

 

また、Portek社は、経験豊富な人材と安定した港湾事業運営基盤を持っていることから、三井物産が各国港湾当局や主要港湾オペレーターからの信頼を高めていくために、Portek社の人材と事業基盤が重要な役割を果たす、としている。

 

三井物産は現在、100%子会社のトライネットグループ各社を通じて米州、欧州、アジア・大洋州、中国、日本の5極をベースに物流事業を国際的に展開している。今後はさらに、アジア、中南米、アフリカなどの新興国を中心に、物流インフラ事業へ参入することで、物流ネットワークの拡大を目指す。

 

Portek社は、既にインドネシア、アルジェリア、マルタ、ガボンで7つの中規模コンテナターミナルや多目的港湾ターミナルを、ルワンダではICD(内陸のコンテナターミナル)を運営・管理している。公開買付けによってこれらの資産を獲得することは、三井物産の物流インフラ事業で成長戦略の具現化を加速させるものとしている。

 

買付価格は普通株式1株につき、1.40シンガポールドルで、最大で2億2100万シンガポールドル(約144億円)を投じる。