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10月の内航輸送、台風の影響で貨物船量微増

2015年12月10日 (木)

ロジスティクス日本内航海運組合総連合会(内航総連)がまとめた10月の貨物船・油送船の主要オペレーターの輸送量は、台風22、23号の発生で船舶の避難や荷役ができないなどの輸送停滞が見られ、貨物船が1847万3000トンで前年同月比から1%の微増。油送船も1087万キロリットル・トンで6%増にとどまった。

貨物船の主要品目別では、鉄鋼は減産の影響があったものの前年と同水準、原料は、セメントの需要が低調だったが、荒天の影響を受けず前年並み。

燃料は石炭の輸送量が増えたことで6%増加。紙・パルプでは、前年10月に台風18号による土砂災害でJR東海道線が不通となり、鉄道の貨物を内航が振替輸送をして輸送量が増加したが、ことしは発生しなかったこと、前月から続く工場の休転や販売の不振から輸送が低調だったことで5%減少した。

雑貨は北海道の馬鈴薯、甜菜など農産物の輸送や沖縄航路の荷動きが堅調であったこと、他社のフェリー事故の影響を増便などで対応したこともあり8%増えた。

自動車は消費税増税後の販売不振が続いているものの、前年を割り込む輸送水準が一巡したことで2か月連続で前年実績を上回る2%の増加となった。セメントでは入渠船が戻ってきたことや西日本地区の天候の良さから順調な輸送ができた一方、前年に比べて荷動きは鈍く2%減少した。

油送船では、黒油が西日本地区での燃料転換が進展しつつあること、川内原発の再稼働などマイナス要因があったものの、製油所間の転送や定期修理に伴う輸送が発生し1%増。

白油(ガソリン・灯油・軽油)は、製油所間の転送のほか、ガソリン・軽油価格の下落で堅調となった。灯油も、北海道や東北地区など寒冷地向けの出荷が、東日本・瀬戸内地区からの輸送が発生したため増加した。白油全体では6%の増加。

このほか、ケミカル(8%増)、高圧液化(8%増)、高温液体(41%増)、耐腐食(14%増)などは、前年同期から市況が好転したため輸送量が増加したと見られる。