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大規模建築物木造化へCLTとRC組み合わせ技術検証

ナイス、津波被害の仙台物流拠点で事務所棟新築

2016年7月22日 (金)

拠点・施設東日本大震災の際に6メートルを超える大津波で事務所棟が壊滅的な被害を受けたナイスの仙台物流センター(宮城県多賀城市)で、被害から5年以上経った今月、事務所棟の新築工事が始まった。震災直後から仮設事務所で業務を行っていた。

▲震災直後の仙台物流センター

▲震災直後の仙台物流センター

新築工事計画ではすべて宮城県産のスギ材を用いた直交集成板(CLT)を採用。CLTと鉄筋コンクリート(RC)造とのハイブリッド構造とし、コア部分となる階段室をRC造に、壁や床、天井にCLTを採用した。平面上の混構造は日本初。

大規模建築物の木造化に向け、今後は防火区画設置の必要性からCLTと異素材との組み合わせ技術が求められる中、今回の工事を通じてCLTとRCとの組み合わせ技術を検証し、CLTの普及を促す。

CLTの断面を内装に生かし、木質感あふれる空間を演出した計画としているため、木質系断熱材による外断熱工法とし、接合部には引きボルトを使わずに外部の側面からプレートで固定する工法を新たに考案し、採用した。

ナイス仙台物流センターは東北地方の大型物流拠点として2008年から業務を行っており、敷地内にはナイスプレカット仙台工場を併設。躯体や建材、住宅設備機器などの総合物流機能を備え、港湾部の立地メリットを生かして住宅1棟に必要な建築用資材をアッセンブルして各地に供給している。