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AIJ年金消失、トラック関係の委託判明分は142億円以上

2012年2月27日 (月)

話題AIJ投資顧問が運用を受託していた年金資産の大半を消失させた問題で、中小トラック事業者が地域ごとに構成している総合型の複数の年金基金が、AIJ投資顧問に資産の一部を委託していた実態が明らかになってきた。27日までの判明分のうち、トラック・物流関連の年金基金がAIJ投資顧問へ委託していた資金総額は142億円以上。

 

これまでに判明しているうち、トラック・物流関係の基金では、愛知県トラック事業厚生年金基金が資産の1割に当たる80億円を委託。同基金では「情報収集に努めている段階で、詳細の把握を優先している。加入運送会社からの問い合わせが多く寄せられているが、今後の対応はこれからの話になる」としている。

 

また、京都府トラック事業厚生年金基金では「AIJ投資顧問に一部を委託しているのは事実だが、詳細は公表していない」と回答した。

 

トラック関係以外でも、外国資本の物流や金融会社でつくる外国運輸金融厚生年金は、基金総額の1%強に相当する2億円を委託。同基金では28日にも内部で会合を持ち、今後の対応を検討するが「委託比率は1%強と非常に小さく、AIJへの委託分だけで基金運営が影響を受けることはない」としている。

 

一方、一部メディアで委託していると報道された東北六県トラック厚生年金基金は、「2005年か06年ごろ」(東北六県トラック厚生年金基金)まで年金資産の1.5%程度に相当する数億円をAIJに委託していたものの、ファンドの構成内容を同社に質したところ「明確に答えてもらえず、不透明だと感じた」ことから、委託契約を解消した。脱退時点の委託資金は毀損しておらず、プラスだったという。

 

■27日までに判明しているAIJ投資顧問への委託状況(トラック・物流関係の年金基金)は以下の通り。
愛知県トラック事業厚生年金基金:委託額=80億円(基金総額の10%)
福岡県・佐賀県トラック厚生年金基金:40億円(30%)
北海道トラック厚生年金基金:15億円(8%弱)
福井県トラック厚生年金基金:3億円(5%)
長崎県トラック厚生年金基金:2億円(2%)
埼玉県トラック厚生年金基金:金額未確認(5%強)
京都府トラック事業厚生年金基金:金額未公表(未公表)
外国運輸金融厚生年金基金:2億円(1%強)