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JA全農、中国のリン酸質肥料メーカーに資本参加

2012年3月13日 (火)

荷主全国農業協同組合連合会(JA全農)は12日、中国福建省龍岩市上杭県に建設中のリン酸質肥料製造会社「瓮福紫金化工股フン有限公司」(瓮福紫金)に資本参加すると発表した。

 

2009年に「戦略的パートナーシップ協定」を締結していた瓮福集団有限公司(瓮福)と現地非鉄精錬メーカー「紫金銅業」など既存株主から10%の株式を譲り受ける。出資額は約7億円。世界的な肥料需要拡大の中、生産国が限定され将来の安定供給が懸念されるリン酸質肥料原料の安定確保を図る狙い。

 

瓮福紫金は2010年5月に設立。瓮福から貴州省産リン鉱石を、紫金銅業から銅精錬の副産硫酸をそれぞれ有利で安定的に調達し、高品質リン安(リン酸二次製品)を製造する。

 

工場は4月に竣工する。中国国内、輸出向けに年間40万トンのリン安を生産する計画で、日本向け製品は近隣のアモイ港から輸出する。リン安は日本では粒状配合(BB)肥料や化成肥料原料として使用され、リン酸質肥料の安定供給につなげる。

 

瓮福は、中国でリン鉱石を産出する貴州省(貴州省雲南省湖北省が三大産地)で国家プロジェクトとして1994年に設立された国営企業。リン鉱石を年間約450万トン採掘し、貴州省、四川省、甘粛省の3工場で、リン安などの肥料を年間約270万トン生産している。全農は1995年から瓮福と取引を開始し、年間10万トンを超えるリン鉱石を輸入している。