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郵船ロジ、ルーマニア8位の物流企業買収へ

2017年11月20日 (月)

▲ティベットロジスティクスのトラック

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M&A郵船ロジスティクスは20日、ルーマニアで売上高8位の物流企業「ティベット」を買収すると発表した。ティベットは英ケズウィック傘下の物流企業で、郵船ロジは年内の買収手続完了を目指す。

これまで同国ではポーランド法人とハンガリー法人が陸上輸送や代理店を利用した海上・航空輸送など一部の取り扱いにとどまっていたが、今回の買収で物流ネットワークを大幅に強化する。日系物流会社が同国に現地法人を保有するのは初めて。

現在は欧州域内17か国に法人・支店を展開し、中東欧ではオーストリア、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキアで自社サービスを提供。4月にトルコ法人が現地企業と統合して新会社として営業を開始するなど、サービス・拠点の拡充を進めてきた。これらにティベットが加わることにより、東欧・黒海エリアにネットワークを広げることとなる。

ティベットは首都ブカレスト近郊のイルフォヴに本社を置き、ルーマニア国内に15拠点・11万6000平方メートルの倉庫を保有する同国8位の物流企業で、コントラクトロジスティクス事業、欧州域内トラック、鉄道輸送、鉄道コンテナターミナル運営などを行っている。

特に自動車部品メーカー向けにVMIサービス、構内物流サービスを提供するほか、大手量販店向けに冷蔵・冷凍食品、日用品などの幅広い商品在庫を要望に合わせたWMSで管理し、ECにも対応するなど、高い専門知識を伴う物流サービスが特徴。

鉄道輸送の要衝となるブカレストで唯一の民間鉄道コンテナターミナルを運営しており、鉄道会社と連携してコンスタンツァ港経由の海上輸送や隣国とのクロスボーダー輸送をつなぐ重要な役割を担っている。

東欧では欧州では製造業や自動車産業による生産拠点の流入移転が進んでおり、ルーマニアでも新たな生産拠点が稼動し、ドイツなどの西欧向けの輸出を中心に拡大。国内インフラの整備が進み、同国東部の黒海に面するコンスタンツァ港は黒海内のコンテナハブとして発展、コンスタンツァ-首都ブカレスト間などの鉄道輸送網も整っている。