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再生法適用申請時の負債40億円、帝国データバンク調べ

アートヴィレッヂ再生手続廃止、在庫膨らみ財務悪化

2018年3月7日 (水)

M&A帝国データバンクによると、2015年4月に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していたアパレルSPAのアートヴィレッヂ(東京都墨田区)は、2月23日に再生手続きの廃止決定と保全管理命令を受けた。

1975年4月設立の同社は、製造から小売まで手がけるSPA事業を主力にメンズ、レディースのヤングカジュアルウエアの小売、卸を手がけ、サーフブランドの老舗「BODY GLOVE」「LOST」など、常時10種類程度のブランドを扱っていた。

01年に直営店を出店したのを皮切りに積極的に新規出店を進め、「Beach Sound」「natuRAL vintage」などの店舗名で全国に展開、09年2月期の売上高は99億1700万円を計上したが、レディース事業の失敗で在庫が膨らみ、財務内容が悪化。

11年3月に発生した東日本大震災の影響で一部店舗が被災し、計画停電の影響もあって売り上げ減を招いて資金繰りが悪化していたという。

その後は金融機関や取引先に支払い条件の変更を要請し、不採算店舗の閉鎖、人員整理、在庫の圧縮といった再建計画に取り組んだが改善せず、14年2月期に売上高が41億5200万円まで落ち込んだことを受け、15年4月22日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請。

同年12月16日に再生計画の認可が決まったが16年7月5日に再生計画を変更。「民事再生法第194条に定める事由がある」として、今回の措置に至った。民事再生法の適用申請時の負債は債権者65人に対し40億7527万円。