財務・人事川崎汽船が27日発表した前3月期連結決算は、ことし1月以降の円高で第4四半期に為替差損を計上したほか、コンテナ船事業統合に伴う持分法損失と人員出向料の影響で営業利益、経常利益は予想を下回ったものの3期ぶりに営業、経常、最終のすべての損益で黒字化を達成した。
売上高は1兆1620億2500万円(前期比12.8%増)、営業利益は72億1900万円(前期は460億3700万円の損失)、経常利益は19億6200万円(前期は523億8800万円の損失)、最終利益は103億8400万円(前期は1394億7800万円の損失)となった。
コンテナ船事業は往航積高が北米航路で前期比2%の減少、欧州航路は10%の増加となった。アジア航路は3%増、南北航路は8%減となり、往復航すべての年間総積高は前期並みで推移した。
2017年度通期の運賃市況は回復基調を辿り、「当初の想定は下回った」ものの前期実績はクリア。邦船3社によるコンテナ船統合会社の設立費用を計上したが、損失は縮小した。
同社のコンテナ船セグメントはコンテナ船事業と物流事業で構成されているが、物流事業が国内物流需要の堅調さを反映して増収増益となり、同セグメント全体では315億円の赤字から34億円の黒字へと転換した。
今期はコンテナ船事業が邦船三社による統合会社へと移管されたことに伴い、売上高が前期より35.1%少ない7545億円を予想。営業利益は50億円(30.7%減)、経常利益50億円(2.5倍増)、最終利益70億円(32.6%減)を見込む。
■2018年3月期
累計(百万円) | 前年同期比 | 対売上高利益率 |
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売上高 | 1,162,025 | 12.8% | |
営業利益 | 7,219 | - | 0.6% |
経常利益 | 1,962 | - | 0.2% |
当期利益 | 10,384 | - | 0.9% |