財務・人事8日発表となった三井倉庫ホールディングスの前3月期決算は、コスト抑制にかじを切った経営戦略と主力の物流事業でヘルスケア物流の新たな取り扱いが始まったことを受けて増収増益、本業の儲けを示す営業利益が17年3月期から11.7億円(20.2%)増えて69.9億円となった。
最終損益は、三井倉庫ロジスティクスの財務状況改善と社宅の売却益が寄与し、234.2億円の赤字から44億円の黒字へ転換した。
物流事業は保管、航空貨物輸送業務の取り扱いが伸び、新たに取り扱いを開始したヘルスケア物流とサプライチェーンマネジメント業務の増加で堅調に推移。コスト削減を前面に打ち出した経営戦略に沿って経費削減に努め、人手不足に伴う人件費上昇、海上運賃、航空運賃などの原価アップ、新倉庫の建設費用を吸収し、80.8億円の増収、13.6億円の増益を確保した。
今期もコスト削減、グループ経営の強化に注力し「事業収益力の底上げに努める」ことで売上高は2300億円(前期比1.4%減)、営業利益75億円(7.2%増)、経常利益64億円(1.9%減)、最終利益38億円(13.8%減)を見込む。
■2018年3月期
累計(百万円) | 前年同期比 | 対売上高利益率 |
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売上高 | 233,243 | 3.4% | |
営業利益 | 6,996 | 20.2% | 3.0% |
経常利益 | 6,521 | 77.7% | 2.8% |
当期利益 | 4,406 | - | 1.9% |