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日本郵船、新開発の省エネ装置搭載船500隻超え

2018年8月1日 (水)

ロジスティクス日本郵船は1日、同社グループのMTI(東京都千代田区)が常石造船(広島県福山市)と共同開発した省エネ装置「MT-FAST」の船舶への搭載実績が500隻を超えたと発表した。

この装置は複数のねじれた形のフィンからなる船体付加物で、プロペラの推進効率を向上させることができる。船舶は、エンジンの動力によりプロペラを回転させ、海水を後方へ押し出すことで進行方向の力に変換して推進するが、回転力を推進力へと変換する際に、旋回流と呼ばれる渦が発生し、推進効率を低化させる。

MT-FASTをプロペラ前方に取り付けることでプロペラに流入する水流を整え、プロペラ後方で発生する旋回流を低減させることができる。この結果、プロペラの推進力を向上させ4%の燃料節減を可能にする。

新造船だけでなく、既存船にも取り付けることができる汎用性の高い装置で、2008年以降、常石造船の竣工船と同社グループが運航するばら積み船やコンテナ船を中心に着実に搭載実績を積み上げ、このほど500隻に達した。

これまでの累計で燃料消費削減量は44万7000トン、CO2排出削減量は134万1000トンになると算出している。

また、同社はMT-FASTの実海域上での省エネ効果について検証。燃料節減効果を把握するため、同航路・同気象海象条件のもとでMT-FASTを搭載した船舶とそうでない船舶の2隻を並走させて検証したところ、4.8%の燃料削減効果が確認できたという。