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センコン物流、物流との相乗狙った農業ビジネスから撤退

2018年11月30日 (金)

話題センコン物流は11月30日、東北で農業ビジネスを手がける子会社のセンコンファーム(仙台市青葉区)を解散すると発表した。併せて、10%を出資する農水産物直売所運営会社のGFジャパン(宮城県名取市)も臨時株主総会で解散を決めた。

同社は主力の運送・倉庫事業で農業関連貨物を取り扱っており、ここで培った知識と経験を活かして「物流、乗用車販売、再生可能エネルギーに次ぐ新たな事業モデル」として、東北を中心としたアグリ事業を構築。物流事業との相乗効果を生み出す目的でセンコンファーム、GFジャパンを通じて米穀・農水産物の仕入販売、直売所の運営などを展開してきた。

しかし、これら2社を取り巻く競争環境は「想定以上」(センコン物流)に厳しく、最終損失が年々拡大するなど「当初の事業計画との乖離(かいり)が生じた」(同)ことから組織体制の見直しや経営基盤の改善を図ったものの「今後、業績回復の見込みが厳しい」との判断に至り、解散を決めた。2社ともに2019年3月の清算結了を見込む。

センコンファームの直近の決算(2018年3月期)における最終損益は6500万円の赤字、GFジャパンは6100万円の赤字となっている。センコンファームとGFジャパンへのセンコン物流の出資比率はそれぞれ35%と10%だが、影響力の大きさからセンコンファームは連結子会社、GFジャパンは非持分法適用関連会社としている。

2社の解散に伴う損失額は個別財務で2億3200万円、連結財務で9200万円を特別損失に計上しているが、今後の清算過程で追加費用も見込まれることから、センコン物流では「損失額の詳細が明らかになり次第」公表する。