調査・データSBSホールディングスは13日、2026年度から30年度までの5か年を対象とする中期経営計画「Harmonized Growth 2030」を策定したと発表した。20年12月期から25年12月期にかけ、M&Aや営業施策により連結売上高を2571億円から4903億円へ伸ばした一方、主力の物流事業の営業利益率は2%台にとどまり、成長の「質」が課題となっていた。新中計では、売上拡大と並行して収益構造改革を進め、物流事業の営業利益率を30年12月期に4.5%まで引き上げる方針を掲げる。
計数目標は、30年12月期の連結売上高7000億円、連結営業利益380億円。物流事業では営業利益率4.5%に加え、ROE(自己資本利益率)14.1%の達成を目指す。成長戦略は、3PL、国際物流、EC物流の3本柱と、自社開発倉庫を中心とする不動産事業を組み合わせる「オーガニック成長」に、国内外でのM&AとPMIを重ねる「インオーガニック成長」を加える構図だ。売上高の内訳では、25年度実績の4903億円に対し、26年度計画5600億円、30年度計画6400億円に加え、M&Aによる600億円の上積みを見込む。
冷蔵倉庫事業に関わる領域では、グループ各社が持つ強みを「ブルーオーシャン」として深掘りし、食品領域の拡大を成長の一角に据えた。資料では、SBSフレックを「冷蔵・冷凍物流のプラットフォーマー」と位置付け、全国レベルで食品メーカーや給食などとの取引拡大を狙う。EC物流でも食品EC(電子商取引)に成長余地があるとし、冷凍ECの運用ノウハウ確立を通じて主導権を確保する考えを示した。幹線ネットワークとラストワンマイルの再構築に言及し、冷凍・チルドを含む輸配送網の強化をEC事業の成長基盤として位置付けた点も、低温物流の拡張と整合する。
一方で、新中計の軸足は「稼ぐ力」の再設計にある。グループ共通の4つのKPIとして、不採算事業・拠点の解消▽倉庫空き坪の削減▽人員構成の最適化▽料金適正化の徹底──を掲げ、PDCAによる構造改革を進める。新規受注案件の審査体制もSBS主導で共通化し、採算基準の明確化と早期収益化を狙う。
25年度末の倉庫空きスペースは2万964坪とされ、26年度末には空き坪率を1%未満へ縮減する計画を示した。低温倉庫を含む施設運営は固定費比率が高く、稼働率と料金の両面が利益を左右しやすい。空き床の圧縮や料金改定を「全社KPI」に組み込んだ点は、冷凍物流の収益改善に直結する施策といえる。
投資面では、26-30年度累計の戦略投資を1900-2200億円、LT/IT・設備更新を750-800億円とし、営業CF1400-1500億円と不動産流動化1300-1400億円を組み合わせて資金を確保する。省力省人化技術やデータ利活用による物流高度化を掲げ、現場の合理化と間接部門の低コスト化にAI(人工知能)活用も織り込む。人手不足が常態化するなか、冷凍庫内作業を含む現場負荷の高い領域ほど、省人化と運営標準化の効果は大きい。
SBSは、規模拡大を優先してきた局面から、利益率の引き上げと資本効率の改善へと重点を移す。冷蔵・冷凍物流は食品ECや給食、量販、メーカー物流など裾野が広い一方、運営難度も高い。新中計で掲げた「冷蔵・冷凍のプラットフォーム化」と、空き床・料金・生産性を軸にした構造改革がどこまで噛み合うかが、30年に物流営業利益率4.5%を実現できるかどうかの試金石となりそうだ。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。



















