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SGHD社長交代会見、荒木氏「風通しいい組織風土に」

2019年3月1日 (金)

話題SGホールディングスの次期社長に決まった荒木秀夫・佐川急便社長と、退任する町田公志・SGHD現社長は3月1日、記者会見を開き、社長交代の経緯や今後の取り組みなどについて語った。

▲SGHD現社長 町田公志氏

会見で、町田氏は社長就任から4年でバトンタッチすることになった経緯について「(2018年度を最終年度とする)中期経営計画を策定して3年間が過ぎ、一定のメドが立った。コーポレート・ガバナンス(企業統治)、コンプライアンス(順法意識)の立て直しに取り組み、東証上場を果たしてこれまでいい業績を上げてきている。(単純なサービスの提供だけでなく、顧客の問題解決に取り組む)ソリューションの提供を進めていく『セカンドステージ』に入ってきたため、『エキスパートが(グループを)先導したほうがいいのではないか』と半年前から思っていた」と述べ、東証一部への上場達成と現中計が終わるタイミングで、交代することを考えていたと説明した。

▲SGHD次期社長の荒木秀夫氏(現佐川急便社長)

これに対し、荒木氏は「社長就任を昨年12月に初めて打診された際、最初はお断りした。ことし1月に入って改めて考える機会があり『そういうものであるなら、頑張ってみようと(思い直した)』」と話し、いったんは辞退していた経緯を明らかにした。

詳細な会見内容は次の通り。

■記者会見の主な質疑
――資本業務提携先の日立物流との関係について。

荒木秀夫・SGホールディングス次期社長:今後もより良い関係を構築していく。

――今後の展望や意気込みは。

荒木氏:具体的なことは公表できないが、海外でフォワーディング事業への投資が必要と考えている。スリランカのエクスポランカ社が拡大の必要があれば、投資していきたい。(グループ横断のソリューション営業チームである)GOALを中心に考えている。

町田公志・SGホールディングス現社長:スピーディーな経営判断や、AI・ロボティクスなどの先進技術に対応していく必要性を半年間考えてきた。さまざまな取り組みを展開してきたが、こういうことを勢いよく引っ張っていくのは荒木氏だろうと。(下に続く)

荒木氏:ネット通販企業が自社物流を始めたり、取引してきた顧客が競合相手になったりと、業界環境も変化している。こういうことに対応するのが必要だ。

――荒木氏に聞く。これまでの社歴の中で転換点になったできごとは。

荒木氏:東京佐川急便事件後、全国から京都(の本社)に集まって会社らしい組織になっていったが、そこに呼ばれたことがターニングポイントだったと思う。

――リーダー像について、どう考えているのか。

荒木氏:佐川急便の風土を変え(ることに注力してきたが)、実際に変われたのではないかと考えている。今後はSGホールディングス全体が(佐川急便と)同じような、風通しのいい組織風土になるよう尽力したい。

――佐川急便の後任社長には、本村正秀氏が就任する。

荒木氏:自分が推薦した。(本村氏は)外も中も知っている。今後も企業間物流に注力することを引き継ぎ、川上領域へのアプローチを強化していく流れが続いていくだろう。

――株価・時価総額が1兆円を超えた。今後も株価・時価総額を意識していくのか。

町田氏:一つの指標として大事にしていってもらいたい。

――荒木氏に聞く。佐川急便の次期社長となる本村氏との役割分担については。

荒木氏:具体的な道筋を立てていくのが社長の役割だと考えているが、まだ何も決まっていない。