丸紅、オランダの水産物卸会社を買収

M&A丸紅は25日、オランダの水産物卸売会社、ウェルマーヨーロッパ社の株式85％を創業者から取得することで合意した、と発表した。ウェルマー社は傘下にフランスの水産物輸入販売会社、フィヨルドインポートSAS社を保有しているほか、英国の水産物加工販売会社ピックフィスク社と業務提携を結んでおり、丸紅は株式取得を機に、欧州の水産物市場で販売網の構築を図る。

ウェルマー社は、言語や文化の違いによる欧州各国の多様なニーズに対応可能な販売基盤を構築し、丸紅が取扱強化を進めている天然鮭マス、白身魚などといった代表的なアラスカ水産物の取扱いにも強みを持っている。

丸紅は既に日米市場に販売拠点を保有しているが、今回の投資で欧州市場の需要を正確に把握し、需要情報と生産地情報を直結させることで同市場での販売力を強化する。アラスカ水産物に加え、同社グループが全世界から調達する水産物の販売拡大を進める。

2011年12月には鮭マスを主体としたアラスカ水産物の取扱強化策として、米国アラスカ州のレッドサーモン工場を買収しているが、今回の販売力強化により、日米欧の主要水産消費市場、需要拡大が期待される中国、東南アジア、南米などの新興国市場に対し、水産物の安定供給体制の構築を進める。