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中京圏の部品物流にダメージ、中韓線の空港限定

2020年3月6日 (金)

国内中国・韓国からの旅客便受入空港を限定する措置が、中京圏の部品物流に影響を与えそうだ。

政府は5日、中国・韓国からの旅客便に関して、3月9日午前0時から到着空港を関西国際空港と成田国際空港に限定する、と発表。中部国際空港では、中国からの航空貨物の大半が旅客便で輸送されているため、自動車部品や繊維、電子部品などの物流が影響を受けることになる。

取材に対し中部国際空港(愛知県常滑市)の航空貨物担当者は「旅客便と貨物専用便の取扱量を正確に把握しているわけではないが、感覚として中国からの航空貨物の大半は旅客便によるもの。そもそも荷主は急いでいるから航空便で輸送しているのに、成田か関空に絞られてしまうと輸送経路を変更するか、輸送を断念するほかないだろう」とコメント。

今後予想されることについては「感染が沈静化しても、今回の措置で滞留した貨物を急いで取り寄せたい荷主が航空貨物に集中する。すでに滞留している分も相まって、正常な状態に戻るまでには相当な時間がかかるかもしれない」と話した。韓国については、直行の貨物専用便があるため、どの程度影響が出るか現時点ではわからないという。

この影響は、中部国際空港に限ったことではない。貿易統計(通関ベース)によれば、成田・関空以外で両国からの航空貨物を取り扱っている空港には、羽田・中部・福岡・新千歳などがあり、比較的成田空港が近い羽田空港でも輸送経路を変更する必要がある。