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ユニセフ、史上最大の物流作戦に向け準備着手

2020年10月20日 (火)

国際国連児童基金(ユニセフ)は19日、新型コロナウイルスワクチンの完成に備えて世界各国に円滑に供給できるよう、準備に着手したことを明らかにした。

(出所:ユニセフ)

ユニセフは「世界が新型コロナウイルス感染症のワクチンを待ちわびる中、注射器やその他の必要な機器を調達し、事前に配置」することで、完成したワクチンを素早く安全、効率的に届ける準備を開始。

「ワクチンのテストが終わり、承認され投与が推奨されるようになれば、世界はワクチンの投与回数と同程度の数の注射器を必要とすることになる」として、2021年中に10億本の注射器を備蓄する計画を立案。その一環として、年内に5億2000万本の注射器を倉庫に備蓄し「ワクチンより前に各国に注射器が届く」よう支援する。

21年中に「十分な投与量」が確保できると仮定し、はしかや腸チフスなどほかの疾患への予防接種プログラムのために調達する6億2000万本の注射器に加え、新型コロナウイルスの予防接種を支援するために、10億本以上の注射器を届けるという。

ユニセフのヘンリエッタ・フォア事務局長は「世界での新型コロナウイルスワクチンの接種は、人類史上最大規模で行われる事業の一つとなるだろう。ワクチンが製造されるまでの間、迅速に行動しなければならない。ワクチンが供給可能となってから速やかに投与を実行するためには、今速やかに行動する必要がある」と話し、ワクチンを滞りなく供給できるように準備する必要性を強調した。

(出所:ユニセフ)

ワクチンが適切な温度で輸送・保管できるよう、世界保健機関(WHO)と協力し、民間、公共部門で既存のコールドチェーン設備と保管能力のマッピングを行うとともに、各国がワクチンを受け取るために必要なガイダンスを作成する。

「すでに世界中で行ってきたように、これらの不可欠な物資を効率的に、効果的に、適温で届けるためにできる限りのことをしている」(フォア)

ユニセフでは、新型コロナウイルスのパンデミックが発生する前から各国の保健施設にある既存のコールドチェーン機器をアップグレードし、ワクチンが運ばれる過程の安全性や効果を維持できるよう準備。17年以降はアフリカを中心に、コールドチェーンのための冷蔵庫4万台以上を保健施設に設置している。