ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

アマゾン・ライフの協業、大阪で対象エリア拡大

2020年11月13日 (金)

国内スーパーマーケット「ライフ」を展開するライフコーポレーションは12日、アマゾン「プライム会員」が同社ECサイトでライフの商品を購入できるサービスを大阪市内5区と吹田市、摂津市、豊中市でも開始したと発表した。

このサービスは、ライフの商品をアマゾンECサイト上の注文から最短2時間で届けるもので、両社はこれまで東京23区・4市と大阪市内16区でサービスを提供していた。

アメリカ事例のハイブリッド版か

ライフコーポレーションとアマゾンの協業は、従来なら競合相手となりえる者同士が、アマゾン本来のクリック&デリバリー方式で連携し、業容拡大しているところが興味深い。

米国ではBOPIS(Buy Online Pick-up In Store)の利用者数は毎月増加の一途だ。そもそもは既存の小売り事業者がアマゾンの脅威に対抗するための起死回生策で、成功例として有名なのはウォルマートだろう。購入者は店頭にある受取カウンターか「ピックアップタワー」という名称の受取用無人ロッカーを利用するというものだ。
一方でアマゾンもまさに〝合わせ技〟とも呼べる「アマゾンハブ」なるサービスを開始してBOPIS需要の囲い込みをはかっている。その運用も無人で受け取る「アマゾンロッカー」と、有人の受取カウンター方式の併用という、五十歩百歩の様相だ。

関西を中心に高齢者の圧倒的支持を得ているライフコーポレーションなら「店頭勝負」こそが本領。それゆえ近々にもBOPISが選択肢に加えられそうな気配が濃い。GMS他社もこの提携モデルを参考にしないはずはない。今後のラストワンマイル戦略では、「双方向」がキーワードとなりそうだ。(企画編集委員・永田利紀)

アマゾンサイトにスーパー「ライフ」、最短2時間配送