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座談会企画

営業マンが見た物流現場のIT課題と打開策

2021年1月14日 (木)

話題2020年の物流業界ではEC市場の拡大や新型コロナウイルスの流行を背景に、自動化やデジタルトランスフォーメーション(DX)が一気に進展した。特に顕著だったのが、倉庫や物流センターなどの拠点のデジタル化で、その代表格が待機車列の解消や整流化による拠点運営効率の向上につなげることを狙った「バース管理システム」だといえる。

実際のところ、物流企業はバース管理システムをはじめとする現場のIT化、デジタル化をどう考えているのか。多くの物流企業にとって、同業他社がどの程度対応しているのか、していこうと考えているのかを知るのは、経営戦略を実行していく上で重要な材料となる。ならば、これらの企業を日常的に訪問し、さまざまな物流企業のニーズに接しているIT会社の営業マンに話を聞くのが早い。

今回は導入を検討する物流企業が抱える課題、導入を決めた経緯、ポイントを探るため、シーイーシー(東京都渋谷区)の協力を得て、バース管理システムを中心とした営業活動でこれらの企業と日常的に接触する営業担当者2人と開発担当者1人に集まってもらい、導入検討企業の現状や課題について話を聞かせてもらった。

座談会参加者
西山充氏
(シーイーシーデジタルインダストリービジネスグループ第三営業部所属)

室井颯文氏
(シーイーシーデジタルインダストリービジネスグループ第三営業部所属)

藤田隆之氏
(シーイーシーデジタルインダストリービジネスグループ西日本サービス事業部第二サービス部所属)

――2020年は新型コロナウイルスに翻弄された1年だった。営業のしにくさ、しやすさといったことにも影響したかと思われる。

室井颯文氏

室井颯文氏:18年頃からバース管理システムの営業活動をしているが、当初はまだ「バース管理システムって何?」という状態だった。それが20年になると環境が様変わりし、営業先の企業でも大半がどんなシステムなのかを知っていたり、具体的に検討したりといったケースが増えてきた。

西山充氏:確かに私もそれは感じている。新型コロナウイルスの流行によってなかなか訪問して営業するのが難しくなったが、営業先である物流現場はリモート勤務で運営できず、車両の滞留を改善したい――といった思いからバース管理システムの導入を検討している企業にとっては、依然として課題が残ったままだ。

――新型コロナウイルスの流行で、バース管理機能の導入をめぐる物流企業などからのニーズに変化は。

室井氏:かなりの数の物流企業で導入の検討が進んでいるようだ。「課題がない」という企業は存在せず、むしろ「コロナ後を見据えて何か手を打たなければならない」という強い思いが感じられた。特によく聞いたのが「物流現場のデジタル化に対応しなければ将来的に仕事がなくなっていく」という不安感だったように思う。

■受付と検温機能が連携、感染拡大防ぐ新たな武器に

――LogiPullといえば、新しい機能が追加されたとか。

藤田隆之氏

藤田隆之氏:20年11月26日に新機能として「非接触型発熱スクリーニング機能」を公開したが、まず前提を説明したい。LogiPullの基本的な機能に受付機能があり、これは倉庫や工場に入場する際、手書きで会社名、氏名、電話番号、入場時刻を記録簿に記入していた作業を電子化したものだ。

受付にタブレット端末を設置し、入場するドライバー自身が氏名などを入力して使用するわけだが、他方、最近は入場時に体温検査を求めるケースも増えてきた。微熱や高温を検出することで、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために各社が実施していることだが、この作業をシステム連携させることで「どの会社の誰それは入場時に体温が何度だった」ということを自動的に記録するのが、非接触型発熱スクリーニング機能だ。

――人数が減るだけでなく、衛生面でもメリットがあると。

藤田氏:「どの会社のどのドライバーが何時に体温何度で入場したか」といったデータがすべて残されるので「当日は何もなく過ぎて翌日以降に感染の連絡を受けた」という場合でも、感染源や接触経路をたどり、濃厚接触者を割り出す行動が円滑になる。

西山氏:実際、営業先でこのように説明すると「そこまでできるのか」と前向きに検討に入る事例が増えてきている印象だ。

■物流現場ごとに異なる課題、必要な解決策も多様

――導入機運が高まっているというのはわかる。だからこそ、物流拠点の車両の出入りを対象としたITサービスは、相当な件数が販売されているが、われわれ編集部でも、取材先から何を基準に選んでいいのか、どこが違うのかがわかりにくいといった声を耳にすることがある。

西山充氏

西山氏:多少の違いはあれど、基本は受付・予約や呼び出しといった機能が核になるのは事実で、ここに大きな差はないかもしれない。ただ、導入を検討する企業が何を課題と考えているのか、この課題へのアプローチは一様ではない。予約機能だけで解決できるのならそれでいいが、課題の解決には何が必要なのかをしっかり検討して、導入するシステムを選ぶのが重要だと考えている。

ひと口に待機時間が長いといっても、予約システムで解決できるケースもあれば、予約の運用が難しい事情がある現場では、入場後に呼び出してバースの回転率を上げ、結果的に待機時間を減らしていくというアプローチもある。このように、企業の課題に合った解決策を提案していくことが必要だ。

――必ずしも、予約システムというシンプルな機能だけで解決できる現場ばかりではないと。そこはわかるが、やはりITの導入にアレルギーを感じている物流企業も依然として存在している。「システムを使いこなせず、投資を回収できなくなるのではないか」という懸念がつきまとう。運用面で苦労するケースにどう対処できるのかは重要な問題だ。現場の声としてはどうか。

室井氏:1回目の訪問ではそういう懸念を口にする企業も多いが、当社では要件定義フェーズという機会を設けて、運用上の課題をヒアリングしている。そこで管理者や現場担当者の悩み、懸念を聞かせてもらい、導入前後の運用フローを確認してもらって初めて実際の導入に進んでいくというのが、当社(シーイーシー)の特徴だ。

――逆に、すでにほかのITシステムを導入済みのケースもありそうだが。

室井氏:大企業では既存システムとの連携を求める場合も少なくないが、中小企業はITシステムの導入経験が浅く、これまでは人海戦術一辺倒で、ITシステムは初めてだという企業が多い。

西山氏:既存システムを導入している企業でも、それらを一元的に運用できているケースは少ない。例えば入退場のゲート管理システムは導入済みだが、それ以外は人手で運用しているというところもあった。

――つまり、物流現場ごとに導入している仕組みといかに連携できるか、というのが、物流企業がITシステムを導入する上で重要な判断基準だと。

西山氏:大企業の場合、複数のシステムを運用していて、これらと連携することを前提に車両管理や受付管理を導入したいと考えているケースがある。事前のヒアリングや要件定義の段階で、既存システムが他社製のものであっても「こういう連携をすれば、さらに効率化できる」という提案をしている。

■ニーズに合わせたシステムを選択することが大切

――導入企業のニーズが多様なシステムとの連携にあるとすれば、世に出ているトラック予約システムは、これらのニーズに対応できるのが必要条件だということになるが、実際にはそうではない。

藤田氏:連携を重視する顧客が増えている以上、システム連携を円滑にするためのAPIと呼ばれる機能を準備する開発会社が徐々に出てきたが、まだ少数だ。

――予約システムの大多数は物流現場のニーズに対応できない可能性があると。

室井氏:大多数とは言い切れないが、一般論として、少なくともパッケージとして提供されているシステムは、そういったニーズに対応しきれず、結果的に顧客が自社の課題に適したシステムを選べないという残念な事例はある。だからこそ当社では、連携や柔軟なカスタマイズで対応することを重視している。

――どういう成果を目指し、それに適したシステムを選べるのかが重要で、単に初期コストが安いか高いかだけで判断するのは危険だと。しかし、そこに気づいていない顧客企業も少数派ではなさそうだが。

藤田氏:サポート体制の充実も重要な選定基準と捉える必要がある。LogiPullの提供は数年前からだが、シーイーシーは50年以上の業歴で、「ここでどんな解決策の選択肢があったか」など、さまざまな課題に対応してきたノウハウが蓄積されている。

例えば、あるときに訪問した冷凍倉庫では、長い車両待機を課題とされていたが、お話を伺ってみると、ある種別の車両の積卸時間が非常に長く、それが渋滞を生んでいることが分かった。そこで、予約システム導入の前準備として、積卸時間が短い車両と長い車両のレーンを分けることを提案したが、それにより車両待機が大幅に解決したという例もある。当社では顧客企業に寄り添う気持ちで解決策を提案している。そこは期待してもらえれば。

■バース管理とAGVが連携か、LogiPull新機能構想

――LogiPullの完成度はかなり高そうだが、これで完成なのか。それともまだ何か考えているのか。

(イメージ)

西山氏:車両管理や、拠点を出入りする車両が円滑に荷物を輸送するためのシステム、という観点で開発しているため、まだ必要な機能はある。現在、検討しているのは「荷下ろしから倉庫に荷物を格納する」「出荷前にバースへ荷物を出していく」という、倉庫内の作業と連携できる機能を構想している。

――新しい機能強化を具体的に検討しているということか。

西山氏:その通りだ。ピックされた荷物をフォークリフトがバースまで持って行くという倉庫内作業に着目し、この部分をAGV(無人搬送車)でカバーできるようにする。これによってさらに倉庫内作業が省人化・効率化されると考え、AGVメーカーとの連携に取り組んでいるところだ。

――AGVとの連携機能が追加されるのは魅力的だが、そこまで検討できない企業もある。機能追加によって導入コストが高くなってしまうという懸念はないのか。

藤田氏:その懸念は当然だ。シーイーシーでは「顧客が必要な機能をチョイスできるパッケージ」という思想でLogiPullを開発している。あくまでも投資効果、費用対効果を詰めていきながら、顧客の課題、段階に合わせて必要な機能に絞って提案していく。それができるのが強みだと考えている。

つまり、必要な機能を選択したり、カスタマイズしたりして顧客の課題に寄り添って提案していくのがLogiPullの特徴だ。これまで「効果が出ない」とか「せっかく導入しても使わなくなった」といった声を聞いたことがないのは、開発・営業担当者冥利に尽きる。これらは今後も大切にしていきたいポイントだ。(了)

LogiPull(ロジプル)の概要  AGV連携の詳細
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