山善とアセントロボが提携、物流向け開発加速

M&A山善（大阪市西区）はアセントロボティクス（東京都渋谷区）に出資し、ロボットシステムの提案を強化する。アセントは山善から調達する資金を活用し「急拡大する自動化ロボット市場に向けて魅力的なソリューション群を導入する」とともに、山善が持つ国際的な販路を活用して業容拡大につなげる。1月末に資本業務提携を結んだ。

アセントは「自動化ソリューションの導入に二の足を踏んでいた中小の製造業」に向け、煩雑なティーチングプロセスが不要で、部品とロボットハンドのCADデータを用いてAIを事前に学習させることで、バラ積みされた部品を正確にハンドリングすることを目的とした、ライトウェイトな自動ピッキングソフトウェア「AscentPick1.0」（アセントピック1.0）をベースとしたサービスの販売を開始。

今後は「AscentPick2.0」の開発に着手し、3Dビジョンセンサー群を導入して「より高速・高精度・複合的な動作」に対応することで、需要が急拡大している大規模製造・物流業界向けのAIロボットソリューションの提供を開始する。

山善は省人化・自動化ロボットのほか、工作機械や産業機器、機械工具など、生産現場の設備機器を幅広く取り扱っており、特に生産現場への導入実績が豊富。日本を含む世界16か国の主要都市に販売拠点を展開している。

一方、アセントはAIを活用した知能ロボットや自律移動ロボット向けのインテリジェントソリューション群を開発しており、主に製造・物流業向けにソフトウェアの販売・提供を開始。山善との提携で開発資金と販路を確保し、事業展開を加速させる。