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物流ドライバーにとって安全運転は「SC途絶」を回避する最善策だ

ナビタイム、上限時速30キロ通知の搭載アプリ拡大

2021年7月30日 (金)

サービス・商品ナビタイムジャパン(東京都港区)が、カーナビゲーションアプリ「カーナビタイム」について、最高速度が時速30キロメートル規制の区域「ゾーン30」エリアを地図で表示する機能を新たに搭載し、7月29日に提供を始めた。

ゾーン30進入時の音声発話や、回避ルート検索の機能も利用できる。通学路など低速度で走行する必要のある道路で依然として発生している事故の撲滅は、運輸業界においても大きな課題だ。こうした機能を持つアプリの開発は、宅配事業者をはじめとする物流業界の注目も集めそうだ。

ゾーン30は、生活道路における安全を確保するため、車両の速度規制などが定められたエリア。カーナビタイムでは、地図上でゾーン30のエリアを緑色で表示して可視化することにより、ドライバーの認知の向上や速度抑制を促す。走行中にゾーン30に進入すると、画面上のアイコン表示とともに、「ここからゾーン30に入ります。ご注意ください」と音声で発話をすることで、ドライバーに注意を呼びかける。速度超過をした場合も、音声とアイコン表示で警告する。

回避ルート検索は、ナビゲーションの条件設定画面で「積極回避」「回避」「回避しない」を選択できる。ドライバーにより運転しやすいルートを案内するとともに、エリア内の通行量の抑制にもつながるという。

▲「ゾーン30」エリアを緑色で可視化、音声とアイコン表示で警告する(出所:ナビタイムジャパン、クリックで拡大)

こうしたサービスが生まれる背景にあるのは、住宅街や通学路などの生活道路におけるトラックなどの事故が後を絶たない現実がある。こうした事故には複数の要因がからみ合うケースが多いが、大別すれば「速度違反」「脇見運転(酒気帯び運転を含む)」に分類できるだろう。

(イメージ)

車両の速度制限は法定のものであり、道路特性や周辺の環境に応じて設定されている。国土交通省や警察庁も速度順守を促す取り組みを進めているものの、「ドライバーの良心」に委ねているのが実情だ。それだけに、ハンドルを握れば法定速度を守る義務を自覚する必要がある。特に物流現場のドライバーならば、その自覚の欠如が、サプライチェーンの途絶を引き起こす可能性さえあることを、念頭に置いて従事しなければならない。

今回のナビタイムジャパンの「カーナビタイム」に搭載された新機能は、安全運転に対するドライバーの自覚を促してくれるものだ。「官」が定めた法律を民間企業の知恵で正しく運用する。まさに官民が「タッグ」を組むことで、社会をよくする取り組みの好例と言える。(編集部・清水直樹)